トイレの仕組みを知って、DIYでトラブル解消しよう!

 便器に流れる水が止まらない、水が流れないなど、突然起こるトイレのトラブル。慌ててしまいがちですが、トイレの仕組みを知っておけば、トラブルが起こったときに原因を見つけてすぐに対処することができます。難しいと思われがちなトイレのパーツは、実はDIYで簡単に交換することができます。トイレのパーツや仕組みを知って、いざという時に備えましょう。

目次

1.トイレの種類と特長
2.トイレの仕組みと各部名称
3.トラブルごとの修理方法
4.その他のDIYで交換可能な部品・パーツ
まとめ

1.トイレの種類と特長

 トイレには、ロータンク式とフラッシュバルブ式があります。ロータンク式は一般家庭に設置されているトイレで、タンクに水を貯めて流します。フラッシュバルブ式は水を貯めずに流すことができるので、大勢の人が利用する施設などで使われます。
左:ロータンク式トイレ
右:フラッシュバルブ式トイレ

2.トイレの仕組みと各部名称

 ここでは、一般家庭に使われているロータンク式トイレの仕組みと名称についてご紹介します。

ロータンク式トイレタンクの内部

【フロートバルブ】

 レバーからつながった鎖の先についているゴムです。ゴムフロートとも呼ばれます。トイレタンクの排水のフタの役目をします。最近のものはゴムではなくプラスチックにパッキンがついたものもあります。球状または半球状をしています。
 レバーを回すと鎖が引き上げられて、フロートバルブが持ち上がり、タンクの排水口を開けることで水が流れる仕組みになっています。 

【ボールタップ】

 タンク外の給水管と繋がっている部品で、先にプラスチックの浮き玉がついています。浮き玉は、タンク内の水面に浮いています。
 レバーを回してタンク内の水位が下がると、水面に浮いていた浮き玉が水位と共に下がって、ボールタップのピストンバルブが開きます。ピストンバルブが開くと給水管からタンクへ給水が始まります。タンク内の水が少なくなると、フロートバルブが下がり、排水にフタをしてタンクに水が溜まり始めます。水が溜まってタンク内の水位が高くなると浮き玉が上がり、再びボールタップの弁が閉じて給水が止まります。

【オーバーフロー管】

 タンク内の部品が故障して給水が止まらなくなったとき、管の上から水が流れ込んで排水することで、タンク内の水が溢れないようにする役目をします。タンク内の適切な水位基準線(WL)がついています。タンク内の適切な水位は基準線から上下2~3センチ程度です。

3.トラブルごとの修理方法

 トイレのトラブルを修理するときは、必ず最初に止水栓を締めてください。止水栓を締めるときは、マイナスドライバーなどを使って、何回回したかを覚えておきましょう。そのあとレバーを回してタンク内の水を抜いてから、作業を行います。
 修理作業を行った後、少しずつ止水栓を開けてタンク内の水位を確かめながら、水漏れ等のチェックを行ってください。

【水が止まらない】

 修理する前に、鎖が引っかかっていないか、浮き玉が外れていないか、部品の細部にゴミが溜まっていないか確認しましょう。
 止水栓を締めて水が止まる場合は給水に、止まらない場合は排水に問題があります。

止水栓を締めると水が止まる場合

 まず、タンク内の水位を確認します。標準水位よりも高い場合は、オーバーフロー管の先端から便器に水が流れてしまっている状態です。浮き玉を持ち上げてボールタップ内のピストンバルブが閉じた状態にし、水が止まるようなら浮き玉が破損しています。新しいものに交換しましょう。浮き玉を持ち上げても水が止まらないようならボールタップに問題があります。
 ボールタップに問題がある場合、ピストンバルブの弁パッキンが劣化している場合があります。ボールタップからピストンバルブを外して弁パッキンを交換しましょう。
《弁パッキン交換手順》
 ボールタップのネジを緩めてピストンバルブ(弁体)を外し、弁パッキンを取り替えます。ボールタップを元の位置に取りつけて、水が止まるか確認しましょう。
 弁パッキンを交換しても直らない場合は、ボールタップが故障しています。新しいものに交換しましょう。ボールタップは、給水管ナットと固定ナットを緩めて取り外すことができます。

止水栓を締めても水が止まらない場合

 タンク内の水位が低い場合は、タンク内の水が常に便器に流れ出ている状態です。レバーが上がったままになっていないか、鎖がからまっていないか、鎖の長さは適切か、フロートバルブが正しい位置で排水を止めているか、フロートバルブが劣化していないか、オーバーフロー管に破損がないかを調べます。破損しているものは速やかに交換しましょう。ゴム製のフロートバルブは、触ってみて手が黒く汚れるようなら交換時期です。
《フロートバルブの交換手順》
 レバーから鎖を、オーバーフロー管からフロートバルブを外して、新しいものに取り替えます。
《オーバーフロー管の交換手順》
 レバーから鎖を外します。排水管のナットを緩めて、オーバーフロー管を取り外し、新しいものに取り替えます。

【タンク内の水位を調節する】

 ボールタップの根元に水位を調節するリングがある場合は、リングを回すことで水位を調節できます。右に回すと水位が高くなり、左に回すと低くなります。
 水位調節リングがついていないボールタップは、浮き玉の支持棒の角度を変えることで水位を調節できます。浮き玉の位置が下がれば水位は低く、位置を上げれば水位は高くなります。ボールタップに負荷がかからないようにして、支持棒の中央あたりをペンチ等で少しずつ曲げて調節しますが、DIY初心者には少し難しい作業です。

【水が流れない】

 鎖とレバーが外れていないか、鎖が破損していないか、フロートバルブやボールタップに汚れが付着していないか、止水栓が締まっていないか確認しましょう。基本的にはこのいずれかが原因となっている場合がほとんどです。

【タンクに水が溜まるのが遅い】

 ボールタップにフィルターがついているものは、フィルターの目詰まりやダイヤフラムの劣化が原因となっていることがあります。ダイヤフラムとは、ボールタップ内に取りつけられた、給水管の水圧を調整する部品です。ボールタップとタンク内への給水の間から水漏れしている場合も、ダイヤフラムの劣化が原因です。
 フィルターの目詰まりは掃除をすることで解消します。ダイヤフラムはペットボトルの蓋のようなキャップを外すと中に入っています。
ダイヤフラム
フィルター
《ダイヤフラム交換手順》
 浮き玉を外して、キャップを外し、新しい部品と交換します。
ダイヤフラムはゴム製のパッキンだけを交換することもできます。

【レバーが回らない・固い】

 鎖が引っかかっていないか、レバー周りにゴミや汚れが溜まっていないか確認しましょう。レバーの軸に潤滑スプレーを吹いても解消されない場合は、レバーを交換しましょう。
《レバーの交換手順》
 レバーと鎖を外し、タンク内側のナットを緩めてレバーを引き抜きます。新しいレバーを差し込み、タンクの内側から水漏れパッキン、ナットの順に取りつけます。レバーに鎖を取りつけて長さを調節します。流れる水の量を多くしたいときは鎖を短く、少なくしたいときは長くします。

4.その他のDIYで交換可能な部品・パーツ

・便座

DIYで簡単に交換することができます。洗浄便座を取りつける場合は、便器のサイズ、排水管までの距離、タンクのタイプ、止水栓のタイプを確認しましょう。

・パッキン・ナット

 接続部分からの水漏れの多くはパッキンの劣化が原因です。新しいものに取り替えましょう。水洗トイレのパッキンには、給水管パッキン、ボールタップ用弁パッキン、排水管パッキン、ロータンク密結パッキンなど、種類やサイズがさまざまです。パッキンを交換する場合は、古いパッキンを店に持参して同じもの購入することをオススメします。

給水管アジャストパッキン
ロックナット(ボールタップとタンクの接続)
ボールタップ用弁パッキン
排水管アジャストパッキン
ロータンクサイフォン用袋ナットパッキン

・フラッシュバルブトイレ用ピストン

 フラッシュバルブの水流をコントロールする部品です。主に水が止まらないときに交換します。大便器用・小便器用や、メーカー、製造時期によっても形が異なりますので、交換する際は注意が必要です。

5.まとめ

 いかがでしたか? 水回りのDIYは難しいと思われがちですが、仕組みと手順を正しく知れば、初心者でも簡単に修理や交換をすることができます。突然のトラブルにも慌てずに、DIYでの修理にぜひ挑戦してみてください。

運営サイト ロイモールの便利なサービス

木材のカットにお困りではございませんか?ロイモールでは木材カットを承ります。

ロイモール 木材カットサービス

豊富なカラーバリエーション。その数なんと1320色!安心な室内用・外部用塗料をラインナップ。

ロイモール 塗料調色

買っても持って帰るのが大変な園芸用土。
ロイモールは直送でお届けできます。

ロイモール 園芸用土直送