単水栓の種類

 水の出し止めを行う部品は一般に『蛇口』と呼ばれていますが、水道設備としての正式な名称を『水栓』もしくは『水栓金具』と言います。屋内用の水栓は現在、水とお湯の両方を出せる『混合水栓』を採用することがほとんどですが、どちらか一方だけを出す『単水栓』も用途に応じて選ばれています。単水栓には設置場所や用途に適したさまざまな種類があります。ここでは機能的に特徴のある代表的な種類を紹介しますので、水栓選びの参考にしてください。

目次
1.水栓の主な種類
2.単水栓の各部の名称と機能
3.単水栓のサイズ
4.単水栓の種類
5.単水栓の水漏れ箇所とその原因

1.水栓の主な種類

 単水栓について解説する前に、水栓にはどのような種類があるのかをざっと紹介しておきましょう。水栓には『単水栓』と『混合水栓』があり、混合水栓はさらに3種類に分けることができます。それぞれ見た目も使い勝手も大きく異なるので、まずは用途や設置場所に合った種類に絞ってから個別の製品を選ぶことをオススメします。

【単水栓】

 単水栓は水の出し止めと、流量を調節する機能だけを持ち、水かお湯のどちらか一方だけを出すための水栓です。メリットはシンプルなデザインとコンパクトな製品を選ぶことができるところ。キッチンや洗面台、お風呂場といったお湯を使う水回りに採用されることはなくなりましたが、水専用の水栓として屋内外の各所で利用されています。水漏れが発生した場合でも、比較的簡単に修理することができます。

【ツーハンドル混合水栓】

 ツーハンドル混合水栓は、1つの吐水口に対して水用とお湯用の2つのハンドルがついている湯水混合の水栓です。それぞれのハンドルの加減によって湯水の温度と流量を調整するので、シングルレバー混合水栓に比べると出し止めと調節に手間がかかります。内部構造は単水栓に似てシンプルなので、水漏れの修理は簡単にできます。また、市販されているさまざまなデザインのハンドルに交換できるので、好みにアレンジを楽しめるのもメリットと言えるでしょう。

【シングルレバー混合水栓】

 1つのレバー式ハンドルを操作することで、流量と温度を調節できる水栓です。たいていの製品は、上下の操作で出し止めと流量を、左右の操作で温度を調節できる仕組みになっています。このタイプは、指や手のひらが汚れているときでも手の甲などを使って操作することができますし、温度の調節も簡単です。

【サーモスタット混合水栓】

 温度を制限するサーモスタット機構が組み込まれていて、ダイヤルで上限温度を設定しておくと出る水の温度がほぼ一定に保たれます。シャワーが一体になったお風呂用の水栓としてよく使われており、1 つのハンドルで出し止めとシャワーへの切り替えを行える製品が一般的です。

2.単水栓の各部の名称と機能

(1)カラービス/ハンドルを固定しています。ペンチなどで掴んで回すことができます。

(2)ハンドル/湯水の出し止めを操作するための握りです。

(3)カバーナット/このナットを取り外して、内部のパッキンやコマを交換します。

(4)スピンドル/ハンドル操作に連動して回転し、下部に取りつけられたコマを上下に動かして水路を開閉します。

(5)水栓コマ(ケレップ)/スピンドルの上下動によって下部にあるパッキンで水路を塞ぎ、水の出し止め、流量調節をします。

(6)吐水口/水が出る口です。

3.単水栓のサイズ

 水栓のサイズは接続ネジの大きさ(直径)で決められています。そのサイズには以下の種類がありますが、一般家庭の水栓はJIS規格品の『PJ1/2(呼び13ミリ)』がよく使用されています。水栓を交換する場合は念のため取り外す水栓の接続ネジの外径を確認しておきましょう。
※水栓のサイズは「呼び」で表されます。
【JIS規格水栓】
PJ1/2(呼び径13mm)/ネジ外径 約21mm
PJ3/4(呼び径20mm)/ネジ外径 約26mm
PJ1 (呼び径25mm)/ネジ外径 約33mm

4.単水栓の種類

■代表的な種類

【横水栓】

 吐水口が動かないもっともシンプルな水栓です。壁や屋外用の水栓柱などに取りつけて使用します。

【万能ホーム水栓】

 吐水パイプが360度回転し、シンプルでありながらとても使い勝手の良い水栓です。上向きにすると直接水を飲むこともできます。学校や公園などでよく使われます。

【自在水栓】

 吐水パイプが20cm程度と長く、横方向に回転するのが特徴です。横向きにするとパイプがじゃまにならないので、大きいものを洗うシンクなどに向いています。

【横型自在水栓】

 ハンドルが横についている自在水栓です。水栓上部の空間が狭い場所にも取りつけることができます。

【立水栓】

 洗面台などの天板に取りつけるタイプです。輸入品、デザイン性の高いもの、センサーを内蔵した自動タイプなどさまざまな製品を選ぶことができます。

【衛生水栓】

 吐水口の下にハンドルがついています。汚れた手で触れても吐水が汚れを洗い流してくれ、ハンドルをいつもきれいに保ちます。

【カップリング付水栓】

 ホースを差し込みやすく、抜けにくいように、吐水口に斜めの凸凹(カップリング)がついています。

【双口水栓】

 狭いスペースで2つの水栓を使い分けることができます。一方にホースをつけっぱなしにしておき、もう一方を通常使用したい場合などに便利です。

【散水栓】

 庭や駐車場に水栓ボックスを埋設し、その中に設置して庭木の水やりや洗車などに使用するタイプの水栓です。ホースを取りつけやすいように吐水口は上を向いています。

【洗濯機用水栓】

 洗濯機の給水ホースを直接カチッとつなぐことができます。吐水口に受け側アダプターをつけないので、水漏れの心配が少なくなります。

■特徴的な種類

【節水レバー水栓】

 レバーハンドルを採用していて、ハンドルのように握らなくても水を出し止めできるタイプです。

【ツル首自在水栓】

 パイプが上向きで吐水口が高い位置にあるため、スペースを広々と使って洗うことができます。パイプが回転する自在タイプです。

【センサー式自動水栓】

 手を近づけるとセンサーが感知して自動的に吐水するタイプです。水栓をいつも清潔に保つことができ、節水効果も期待できます。

【カギ付水栓】

 ハンドルの代わりに着脱できるカギを使って出し止めを操作します。共用部分や屋外の水栓で水道の無断使用を防止できます。散水栓タイプやカップリングタイプなどもあります。

【ガーデン用水栓】

 可愛くデザインされたものが選べます。吐水口のネジにワンタッチニップルなどの口金を取りつけられるタイプもあります。

5.単水栓の水漏れ箇所とその原因

【A】吐水口からの水漏れ

 コマ(ケレップ)についているゴムパッキンの劣化が原因です。水栓コマを新しいものに交換しましょう。ゴムパッキンだけを交換する方法もあります。
【B】ハンドルの根元からの水漏れ

 ハンドルの下についているカバーナットの内側に入っている三角パッキンの劣化が原因です。三角パッキンとワッシャーを新しいものに交換しましょう。
【C】パイプ取りつけ部分からの水漏れ

 パイプを取りつけるナットの内側に入っているUパッキンとリングの劣化が原因です。Uパッキンとパイプはセットになっているので、両方を新しいものに交換しましょう。
【D】壁への取りつけ部からの水漏れ

 水栓の接続ネジに巻いてあるシールテープの劣化が原因です。壁から水栓を取り外し、古いシールテープを取り除いてから新しいものを巻き直しましょう。

まとめ

 幅広い用途で使われる単水栓には、ご覧いただいたようにさまざまな種類があります。水栓は吐水パイプの形状や動き方が変わるだけで使い勝手が飛躍的に向上する場合があります。もし従来の水栓に不便を感じているようでしたら、この記事を参考に設置する場所や用途により適したものを探してみてはいかがでしょうか。

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