FRPの種類と使い方

 金属よりも軽くとても頑丈な素材FRP。グラスファイバーなどとも呼ばれ、ユニットバスの浴槽やサーフボード、また、プレジャーボートの船体など身近な所でも多く使用されています。
 しかし、身近な存在であるにもかかわらず、FRPが一体どのようなものなのか分からないという方もきっと多いはずです。さらにFRPを実際に使ったことがあるという方はさらに少ないのではないでしょうか。
 そんな身近でありながら意外に知られていないFRPについて、その種類の違いや便利な使い方などについてあらためてご紹介します。

目次
1章:FRPとは?
2章:FRPの種類とその特徴の違い
3章:FRPのメリット・デメリット
4章:FRPを扱う際の注意点と必要な道具
5章:FRP補修キットを使った補修の作業手順
6章:FRPを扱う上での注意点

1章:FRPとは?

 FRPとは、Fiber Reinforced Plastics(ファイバー・レインフォースド・プラスチック)の略で、日本語で言うと繊維強化プラスチックとなります。どういったものかというと、ガラス繊維やカーボン繊維などでできたマットを樹脂の中に入れて強度を向上させた複合材料のことです。
 FRPは、樹脂が基礎素材なので非常に軽量な上、繊維によって強化されているため強度がとても高いのが特徴です。プラスチックなどの樹脂はもともと軽量なのですが、強度の面では金属などにはかなわず、基本構造部材などには本来あまり適していません。
 しかし、ガラス繊維などの弾性率が高い素材を樹脂の中に入れることで、軽くて強度に優れた複合素材となるのです。金属よりも強度が高く、軽量でサビない上に腐食もしないFRPは、その優れた素材としての特性が認められて、車や航空機、鉄道車両の外装や内装部材から、バスルームやボート、公園、テーマパークのマスコットや遊具など幅広く使用されています。
 また、軟質タイプのFRPはベランダや屋上の防水などにも使用されています。FRPがどのようなものかイメージしづらくても、間違いなく誰もが一度は手に触れたことがあるはずです。
最も身近なFRPがお風呂の浴槽です。強度が高く腐食しない上、水にも強いため、住宅の水場に適しています。

2章:FRPの種類とその特徴の違い

 FRPで使用されている繊維の代表はガラス繊維(GFRP)です。その、他にもカーボンファイバー(炭素繊維/CFRP)や、ケブラー(KFRP)、ダイニーマ(DFRP)などの樹脂繊維も使われています。
 また樹脂に関しても、ポリエステル樹脂や、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂にフェノール樹脂、熱可塑性樹脂などが使用されています。
 この中で最も一般的なのはガラス繊維とポリエステル樹脂やエポキシ樹脂使った複合素材のGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)です。身近なFRP製品のほとんどが、この組み合わせのGFRPでできています。
 ガラス繊維が使用されたGFRPということから身近なFRPのことをグラスファイバー(ガラス繊維)などと呼ぶ人もいます。
 他にもFRPの種類としては以下のようなものがあります。

FRPの種類

GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)

最も一般的なFRPで、ユニットバスやボート、車のエアロパーツなどに使用されています。強度も高く軽量で価格も比較的リーズナブルです。ガラスマットと、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂の組み合わせが一般的でホームセンターなどでも容易に材料を入手することが可能です。

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)

繊維素材としてカーボンファイバーを使用したFRPです。GFRPよりもさらに軽量で強度も非常に高いためアルミニウム合金の代替材としても使用されます。CFRPにはGFRPのように炭素繊維マットに樹脂を塗り、自然乾燥し固めるウェットカーボンと、樹脂を含ませた炭素繊維マットを型に貼り、オートクレーブと呼ばれる圧力釜で焼き固めるドライカーボンがあります。ドライカーボンはウェットカーボンよりもさらに軽量な上、強度も高いのですが、非常に高価なため、航空機やF1、高級スポーツカーなどに使用されています。

ZFRP(ザイロン強化プラスチック)

高強度、高弾性率を持つザイロン繊維と樹脂を複合させたFRPです。きわめて高い強度を持ち、さらに難燃性も持っています。

GMT(ガラス長繊維強化プラスチック)

通常のGFRPに使われるガラスマットよりも長い繊維のガラスマットを使用したFRPです。強度は通常のFRPよりも高く、高温下でも低温下でも強度が低下しにくいという特徴を持っています。

AFRP・KFRP(アラミド繊維強化プラスチック)

防弾ベストなどにも使用される強度の高いアラミド繊維(ケブラー繊維)を使用したFRPです。耐衝撃性に優れ高い強度が得られます。しかし、切れにくいという素材の特性から、成形加工性はあまり良くありません。

BFRP(ボロン繊維強化プラスチック)

軽く、引っ張り強度や曲げ強度が非常に強いボロン繊維を使用したFRPです。強度に優れているため軍事兵器などにも使用されアメリカの軍用航空機やスペースシャトルなどにも使われています。

DFRP(ダイニーマ繊維強化プラスチック)

高強度ポリエチレン繊維であるダイニーマ繊維 を使用したFRPです。ダイニーマはケブラーの1.5倍以上の引張強度を持ち、5倍以上の耐磨耗性能を持つ優れた繊維です。また熱伝導性なども良好です。

紫外線硬化FRP

FRPの種類とは少し違いますが補修などに便利なFRPとして販売されているのが紫外線硬化樹脂をガラス繊維で強化した薄いシート状の紫外線硬化FRPシートです。アルミパッケージから取り出し、目的の場所に貼りつけたら紫外線(太陽光または紫外線ランプ)を当てるだけで速やかに硬化します。さまざまな補修や補強用途に便利なFRPです。
 この中でDIYなどにも応用できるのはGFRPとCFRPのウェットカーボンです。ガラスマットやカーボンファイバーのマット、ポリエステル樹脂などは、入手も容易なので、技術があればどのような形の物でもFRPで製作することはできます。
 しかし、その扱いには細心の注意が要りますし、多くの手順も必要で、FRPを扱ったことのない初心者には決して簡単な作業ではありません。
 もし、例えばお店の立体看板のようなものの造形素材としてFRPを使いたいという場合、まずは原型を作らなくてはなりません。
 そして、その上に剥離剤を塗り、FRPを貼っていく作業が必要で、初心者が簡単にできることではありません。プロでも非常に手間のかかる作業です。パーツの補修などでFRPを使用し、ある程度スキルを積んでからでないと恐らく難しいでしょう。そういった用途には加工の簡単な発泡スチロールなどの方が向いているかもしれません。
 しかし身近なFRP材料は、DIY用の補修材としてFRP専用補修キットなどがホームセンターで売られています。必要なものが全てセットになったキットであれば、初心者でも気軽にトライしてみることができるでしょう。興味があればぜひ挑戦してみてください。

3章:FRPのメリット・デメリット

 FRPが様々な用途で使用されている理由は、多くのメリットがあるからです。そのメリットとはどのようなものか具体的にいくつか紹介しましょう。

①軽くて強度が高い

プラスチックなので金属よりも軽量です。また金属並みの高い強度が期待できます。そのためFRPは鉄よりも強く、アルミよりも軽いなどともいわれています。その特性から軽さと強さが求められるレーシングカーやボートなどのボディに、さらに公園などにある動物の形をした遊具などにも使用されています。

②耐候性に優れている

素材がガラス繊維やプラスチックなので、金属や木材などのように腐食することがなく耐候性に大変優れています。さらに塩害にも強いので漁船などの船体にも向いています。加えて耐熱性、耐薬品性、断熱性にも優れることから建築材料などにも広く用いられています。

③耐水性に優れている

水を通さないためボートの船体や風呂の浴槽などにも適しています。また軟質FRPは屋上やベランダの防水用としても使用されています。

④補修がしやすい

万が一破損しても、FRPやFRP用ポリエステル樹脂(ポリパテ)で簡単に補修することが可能です。
 このようにFRPには、たくさんのメリットがありますが、逆にFRPならではのデメリットもあります。それは以下のようなことです。

①衝撃に弱い

FRPは非常に固い素材ですが弾力性がないので強い衝撃を受けると割れたり穴があいたりしてしまうことがあります。

②量産に向かない

加工の工程に多くの手作業が必要なため、同じようなパーツを量産するのにはあまり向いていません。

③熱に弱い

プラスチックなので熱にはあまり強くありません。耐熱温度はおよそ100~140度ほどで、強い熱を受けると燃えてしまいます。
 軽くて金属素材並みに強度が高く、腐食もしない。このようにFRPはとても優れた素材ですが、プラスチックとガラス繊維の複合材ならではの、熱に弱い、衝撃で割れてしまうなどといった欠点もあります。そのため、その特性に適した用途を見極めて使用する必要があるのです。

4章:FRPを扱う際の注意点と必要な道具

 FRP関連の道具や材料は、ホームセンターなどで簡単に手に入れることが可能です。
 FRPはガラス繊維を扱うので細かな繊維から肌や目を保護する保護具が重要です。ガラス繊維が直接皮膚に触れても大きな害はありませんが、チクチクと非常に不快な思いをしてしまいます。また、非常に細かいので目に入ったり、肺などに吸い込んでしまったりする可能性もあるので注意が必要です。

 もし皮膚に付着しても、一時的に不快なだけで皮膚疾患などは起きないとされていますし、肺などに吸い込んでも障害などが起きることはないとされていますが、絶対とは言い切れません。できれば避けるべきでしょう。目を保護するためのゴーグル、防塵マスク、手袋は必ず装着して、衣服も長袖の物を着用するようにしてください。
 FRP用の樹脂として一般的なのがポリエステル樹脂と、エポキシ樹脂です。その違いは、リーズナブルで種類が豊富なのがポリエステル樹脂で、それに対して硬化時の収縮が少なく、寸法安定性に優れ強度にも優れているのがエポキシ樹脂です。
 エポキシ樹脂は素材への接着力も強力でより優れた特性を持っていますが、その分価格がポリエステル樹脂よりも高めです。特性やコストを考えて使い分けるのが良いでしょう。

●FRPを使った作業に必要な材料と道具

・ガラスマット
ガラス繊維でできたマット。ポリエステル樹脂を染み込ませて固めます。
・カーボンファイバーマット
炭素繊維でできたマット。エポキシ樹脂などを染み込ませて固めます。独特の折り目が見えます。
・ポリエステル樹脂
FRP用のポリエステル樹脂です。硬化剤を混ぜてガラス繊維に染み込ませます。
臭いの少ない低臭タイプのポリエステル樹脂。
・エポキシ樹脂
ガラスマットに使用するエポキシ樹脂。硬化剤がセットになったものです。
カーボン繊維用のエポキシ樹脂。硬化剤がセットになっています。
・硬化剤
ポリエステル樹脂の硬化剤です。ポリエステル樹脂に少量混ぜることで樹脂が硬化します。硬化の際には熱が発生します。
・スポイト
硬化剤を混ぜる際に使用します。
・ローラー
樹脂を染み込ませたガラスマットから、空気を押し出すために使用します。
・アセトン
樹脂の染み込んだハケやローラーの洗浄に使用します。
・離型剤
型を使ってFRPの造形を行う際、塗っておくことで簡単に型からFRPを取り外すことができます。
・ポリエステルパテ
FRPの表面の補修などに使用するパテです。
・防塵マスク
飛び散ったガラス繊維が肺に入らないように保護するために必要です。
・保護メガネ
ガラス繊維から目を保護するためのゴーグルです。
・手袋
ポリエチレン製の使い捨て手袋。ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂から手を保護するために必要です。

5章:FRP補修キットを使った補修の作業手順

 ここでは2つに壊れてしまったオートバイのプラスチック(ABS樹脂)製サイドカバーを、FRP素材専用の補修キットを使って補修する方法を紹介します。この手順は自動車のバンパー(ABS製バンパー、FRPバンパー)などの補修にも応用できます。
 FRP補修キットは、はじめからガラスマットや、2液性のポリエステル樹脂、軽量カップなどがセットになっているのでばらばらに揃える必要がありません。ホームセンターの自動車用品売り場などで入手することが可能です。また、小さなキズなどの補修に便利なパテ付車用補修剤なども売られているので合わせて購入しても良いでしょう。

 使用の際、注意しなくてはいけないのが、硬化剤を混ぜたポリエステル樹脂は思いのほか早く硬化しはじめてしまうということです。途中作業が滞らないように、FRP補修キットの説明書をよく読んでおき、作業のシミュレーションをしておきましょう。またガラス繊維のマットや樹脂は、素手で触らないように注意してください。作業の手順は以下の通りです。
①キズ部分を研磨する
キズの表側と裏側をサンドペーパーで研磨します。
②脱脂する
パーツに付着した油分や汚れを、シリコンリムーバーで取り除きます。
③アルミテープで補強する
2つのパーツを表側からアルミテープで貼り合わせます。次に付属のガラス繊維のマットをハサミなどで2枚切り出しておきます。
④破損部の裏側に樹脂を塗る
主剤と硬化剤を混ぜポリエステル樹脂を作ります。パーツの裏から破損している部分を埋めるように樹脂を塗っていきます。
⑤ガラス繊維を貼る
ガラス繊維のマットを、塗った樹脂の上から貼ります。樹脂をさらに染み込ませ繊維内の空気をローラーやヘラなどで押し出します。同じ作業をもう一度繰り返してガラス繊維の層を二層にします。
⑥表面からパテを盛り研磨する
2時間ほどで樹脂が硬化します。硬化したら補強用のアルミテープを剥がし、表側のつなぎ目部分にポリエステルパテを盛り、隙間を埋め、硬化したら耐水ペーパーで表面を磨きます。
⑦仕上げ
最後にスプレーペイントで仕上げたら終了です

6章:FRPを扱う上での注意点

 FRPは、作業の手順さえ守ればDIYでも扱うことできる便利な補修素材です。しかし、非常に細かなガラス繊維や、硬化の過程で熱を発生させるポリエステル樹脂などを扱うので、作業には慎重さが求められます。
 慣れてくればパーツの補修だけでなく一から立体物を作ることも可能ですが、ただしそのレベルに達するにはかなりのスキルが必要でしょう。FRPを使用してみたい場合は、まずは簡単な補修などから挑戦してみてください。

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