トイレの水漏れに慌てず対処!
水漏れ症状別の原因と修理方法

 突然に起きるトイレの水漏れ、あなたはどう対処しますか? DIYの心得のある方でしたら、自分で修理して早く、安く解決したいと思うでしょう。ただ作業の難易度がわからなければ、安易に手をつけて良いものか判断するにも困ります。実際のところ、トイレの給排水の仕組みは複雑で、知識がないと原因を突き止めることもできません。簡単な部品交換で解決できるケースもあれば、便器を取り外さなければ直せないケースもあります。どんな水漏れであれば自分で修理できるのか、症状と修理方法を1つずつ見ていくことにしましょう。

目次
1章:トイレの水漏れ修理は原因によって難易度がさまざま
2章:トイレタンクから水漏れ? 便器の水が止まらない
3章:トイレ奥側の床に水が溜まっていたら
4章:便器の上部から水が垂れている
5章:便器の周囲に水のシミやにじみを見つけたら
6章:原因、修理方法がわからないときは業者に依頼!

1章:トイレの水漏れ修理は原因によって難易度がさまざま

 トイレで発生する水漏れは、その場所によって原因はさまざまです。それぞれに修理方法がまったく異なりますし、仕組みのわからないタンクや温水洗浄便座(ウォシュレットなど)もあるので、自分では対処するのが難しいと考えるのも当然です。

 トイレで発生する水漏れの修理は、原因によって難易度にかなり差があります。まずは水漏れの発生箇所を突き止めて応急処置をし、自分で修理できるものか検討しましょう。場所によっては素人作業でトラブルを拡大してしまう可能性があります。原因や作業方法がよくわからなかったり、修理する自信がない場合は、無理をしないで業者に依頼する方が良いでしょう。

2章:トイレタンクから水漏れ? 便器の水が止まらない

■水チョロチョロはタンク内の故障

 水が少しずつ便器へと流れ続けている。タンクの中からチョロチョロという水の音がずっと聞こえている。これらの症状は、内部の部品の不具合が原因で起こるタンクの水漏れによるものです。漏れた水は便器に流れるので床が水浸しになるような被害はありませんが、放っておけば水道料金に影響します。

 不具合とは、いくつかあるタンク内の部品の破損や劣化、外れ、位置のズレなどです。フタを開けてタンクの内部をチェックし、修正や部品交換をして修理する必要があります。作業自体は決して難しいものではありませんが、内部の仕組みを理解して適切に作業しなければなりません。日頃から自宅のメンテナンスなどをしている方でしたら自分で作業できるでしょうが、そうでない方には難しい作業になるかもしれません。
トイレタンクの構造は上図のとおりです。部品の形状や位置が違っても、タンク式トイレは基本的には同じ仕組みを採用しています。

■止水栓を閉めて故障の原因を絞る

 トイレタンクのトラブルは、給水系の故障と排水系の故障に分かれます。そのどちらであるかを探るためにもっとも簡単な方法が、止水栓を閉めてみることです。チョロチョロ流れ続けていた水が止まるかどうかで、原因を絞ることができます。その後でタンクのフタを開けて、故障している可能性が高い部品をチェックしてください。
止水栓の中心についているネジをマイナスドライバーで時計回りに止まるまで締め込むと、給水が止まります。

 上部に手洗い金具がついているタンクは、一気にフタを持ち上げないように注意しましょう。ボールタップと手洗い金具をつなぐチューブが手洗い管に固定されている機種があります。最初に少しだけ持ち上げて中を覗き、チューブなどの接続を外してからフタを取り外すようにしてください。

■タンク内を調べて故障箇所を突き止める

【止水栓を閉めて水が止まった場合】

止水栓を閉めて水が止まったら、給水系の浮き玉かボールタップの異常です。まず浮き玉を調べます。アームごと外れている場合は取りつけ直しましょう。タンクの内側に当たるなどして浮き球が動かなくなっている場合は、手でアームを曲げて修正します。また浮き玉が割れている場合は新しいものに交換してください。

 浮き玉に異常がなければ、ボールタップの不良が原因です。ボールタップの清掃やボールタップ自体の交換をしましょう。

【止水栓を閉めても水が止まらない場合】

 止水栓を閉めても水が止まらないときは、排水系の故障です。まず、レバーを回して元の位置に戻るかを確認します。
(1)レバーがスムーズに元の位置に戻らない
 レバーの動きが悪くなってフロートバルブが上がったままになっています。軸などに潤滑スプレーを噴いて滑りを良くしましょう。それでも改善しないときは、レバーを分解してワイヤーブラシでサビや汚れを落とします。


(2)レバーがちゃんと戻る
 フロートバルブを引き上げる鎖をチェックします。鎖が絡まって短くなっていると、フロートバルブが上がったままになります。絡まったり引っかかったりしていたら、手で解いて真っすぐに戻しましょう。

 鎖に異常がなければフロートバルブをチェックします。タンクの底との間に異物が挟まっているとしっかり栓ができないので、取り除きます。フロートバルブが下りているのに水が流れている場合は、フロートバルブそのものが劣化している可能性があります。新しいものに交換してください。

■ボールタップの修理方法

【ボールタップの清掃】

 ボールタップは浮き玉の上下動に連動してピストンバルブを動かし、水を出し止めする部品です。可動部分であるアームに水アカなどが付着すると、ピストンバルブがスムーズに動かなくなることがあります。アームの動きが悪くなっていたら、リンク部分を歯ブラシなどで擦って汚れを落としましょう。※ボールタップの取り外し方は、交換手順を参考にしてください。

【ボールタップの交換手順】

 ピストンバルブが上がっていても給水が止まらないときは、ピストンバルブに異常があります。パッキンの交換で直る場合がありますが、繊細な調整ができないと正常に作動しなくなるので、ボールタップをまるごと新品に交換することをオススメします。
ホームセンターでは各種の汎用ボールタップが販売されています。メーカーの純正品が手に入らないときは、タンクの製品番号を調べて対応している汎用品を用意しても良いでしょう。
(1)止水栓を閉めて給水を止める
 最初に止水栓を閉めて給水を止めます。レバーを回して水を流し、タンク内を空にしましょう。


(2)固定ナットを緩める
 給水管とタンクの接続部分には2つのナットがついています。まず外側の給水管連結ナットをモンキーレンチで緩め、次に片手でボールタップを押さえながら、ボールタップの固定ナットを緩めて外します。


(3)古いボールタップを取り外す
 タンクの内側からボールタップを引き抜いて取り外します。


(4)新しいボールタップを取りつける
 新しいボールタップをタンクの穴に合わせて取りつけ、固定ナットを締めます。


(5)給水管を取りつける
 新しいゴムパッキンを給水管連結ナットにつけ、ナットを締めて給水管を固定します。モンキーレンチで2つのナットを締め込んで、ボールタップの交換は完了です。

■フロートバルブの修理方法

【フロートバルブの種類に注意】

 フロートバルブはタンクから便器への排水をコントロールするためのゴム製の栓です。このフロートバルブが劣化するとタンクの穴をしっかり塞げなくなります。水が少しずつ漏れるので新品に交換して修理します。
 このフロートバルブにはTOTOタイプとLIXIL(INAX)タイプがあるので、購入時には注意してください。TOTOタイプは半円形でサイフォン管に連結する2本のアームが出ています。LIXILタイプは球状をしていてサイフォン管下部の台座に差し込む棒がついています。どちらも大きさの種類があるので、必ず適合するものを用意しましょう。
TOTOタイプのフロートバルブ
LIXIL(INAX)タイプのフロートバルブ

【フロートバルブの交換手順】

(1)止水栓を閉めて給水を止める
 最初に止水栓を閉めて給水を止めます。レバーを回して水を流し、タンク内を空にしましょう。


(2)鎖を外す
 レバーの内側部分についているフックから鎖を外します。


(3)フロートバルブを取り外す
 オーバーフロー管からフロートバルブを取り外します。TOTOタイプの場合は2本のアームをサイフォン管から外しましょう。LIXILタイプの場合は球状のフロートを手で潰して横に引き抜きます。


(4)フロートバルブを取りつける
 (3)のときと同じようにして反対の手順でサイフォン管にフロートバルブを取りつけます。


(5)鎖を取りつける
 フロートバルブの鎖についているフックをレバーに引っ掛け、レバーの(大)(小)に合わせて鎖の長さを調整して交換は完了です。

■補修部品を購入する際の注意

 ボールタップやフロートバルブが故障したり劣化したりした場合は、新品を購入して交換する必要があります。それぞれの部品はメーカーや機種によって仕様が異なっているので、タンクの型番を調べたり、取り外した現物を持っていってホームセンターなどで同じものを購入してください。

 メーカーの純正品を在庫していない場合でも汎用品が販売されているので、型番を確認して対応している製品を購入しましょう。

3章:トイレ奥側の床に水が溜まっていたら

■配管の接続部分からの水漏れ

 トイレの奥側の床(タンクの横や下など)が水で濡れているのを見つけた場合、タンクへ水を送る給水管(給水ホース)周りでの水漏れが考えられます。その原因のほとんどは、給水管(給水ホース)と止水栓、またはタンクとの接続部分にあるナットの緩みやパッキンの劣化です。指で触って水気のある場所を特定し、ナットの締め直しやパッキン交換をしましょう。

 接続部分が作業しやすい場所にあれば、修理は難しくありません。しかし最近はタンク側の接続部分が見えない場所についている機種があります。説明書で構造や作業方法を確認して、自分で修理できるかを判断しましょう。

【接続部分のパッキン交換の手順】

(1)止水栓を閉める
 トイレの床面や壁面にある止水栓を閉めてタンクへの給水を止めます。タンク側のナットを外す場合は、水を流してタンクを空にしておきましょう。


(2)固定ナットを緩める
 モンキーレンチを使って水漏れしている箇所のナットを、給水管側から見て反時計回りに緩めて外します。タンク側のパッキン交換をするときは、給水管固定ナットを緩めて給水管を外します。


(3)パッキンを交換する
 劣化した古いパッキンを取り外して新しいパッキンに取り替えます。パッキンのサイズがわからないときは、取り外したパッキンを持ってホームセンターなどへ行き、同じサイズのものを購入してください。


(4)元に戻す
 給水管を取りつけ、ナットを時計回りに締めて固定します。止水栓を開けて水漏れがないことを確認し、交換作業は完了です。

4章:便器の上部から水が垂れている

■温水洗浄便座(ウォシュレット)からの水漏れ

 温水洗浄便座(通称ウォシュレット)でも水漏れが起こります。このタイプの便座の中には貯水タンクやバルブ、可動式のノズルなど多くの部品が組み込まれています。便座の後部で水漏れしている場合は、そうした細かい部品の破損や接続不良が発生している可能性があります。

 温水洗浄便座自体は電気製品になり、トイレの器具の中では少し特殊です。専門知識を持たずに分解したり、部品をつけ外しすると新しい故障を引き起こす可能性が高く、安易に修理することはオススメできません。

 製品の保証期間内でしたら、メーカーに修理対応について問い合わせましょう。保証期間が過ぎている場合、業者に修理してもらうよりも、自分で温水洗浄便座を新品に交換する方が、費用を抑えられるかもしれません。業者に修理費用を問い合わせて、金額を比べて判断すると良いでしょう。
温水洗浄便座は高機能を求めなければ手ごろな価格から用意されています。取りつけ交換作業はさほど難しくありません

5章:便器の周囲に水のシミやにじみを見つけたら

■便器と排水管の接続部分からの水漏れ

 トイレでもっとも注意しなければならないのが、便器と床の間からの水漏れです。気づくのが遅れると便器を床に固定しているボルトが腐食したり、床材が腐食したりして被害が広がってしまいます。原因は便器と床下の排水管とを接続している部分の床フランジという部品の破損や、床フランジパテの劣化です。

 このケースはタンクや便器を取り外さなければならないため、修理するのも厄介です。難しいうえに時間と労力のかかる作業になるので、修理業者に依頼することをオススメします。

6章:原因、修理方法がわからないときは業者に依頼!

■複数社から見積もりを取る

 トイレの水漏れには、仕組みを理解していないと修理するのが難しいものがあります。また、長年メンテナンスをしていないために、ネジが固くなっていて回せないこともよくあります。原因や修理方法がわからない場合はもちろん、修理をはじめてから難しいと判断したら、無理をしないで業者へ依頼しましょう。

 トイレの水漏れ修理を依頼すると作業料と部品代の他に出張料金を請求されることがあります。修理を依頼するときは複数の業者から見積もりをとって、料金や対応を比べて納得のできる相手を選んでください。その際には追加で発生する可能性のある部品代なども聞いておくと安心です。

 見積りを依頼するときは、「現地見積り無料」であること、「修理依頼しない場合も見積もり費用が発生しない」ことを事前に確認しておきましょう。

■ホームセンターのサービスを賢く利用

地元の水道工事業者や修理専門業者の他、水回り設備の修理や交換に出張サービスで対応しているホームセンターもあります。近隣にホームセンターがある場合は、出張サービスの有無やサービス内容を確認すると良いでしょう。

 ロイヤルホームセンターでは、年中無休、24時間受付の『ロイサポート』で各種の修理や器具交換に対応しています。初期の現地調査と見積もりは無料で、修理依頼したときの出張料金もかかりません。見積もりの依頼先としてリストアップしてはいかがでしょうか。

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