蛇口の水漏れ修理


 蛇口からの水漏れは、ポタポタと音が気になるだけでなく大変な水のムダ使いになりますので早めの修理が必要です。電話一本で駆けつけてくれる修理サービスなどの業者を利用する方法もありますが、蛇口周辺の軽い水漏れであればご自分で直せるケースが多いので、正しい情報をもとに修理にトライしてみてはいかがでしょうか。

 排水溝の詰まり、トイレの便器やタンクの故障など、水まわりの修理は経験がなければ不安になるのは当然です。ですが蛇口周辺の軽い水漏れであれば、仕組みを理解して正しい手順で行えば、誰でも簡単に直すことができます。まずは水漏れしている箇所を特定して、それぞれの手順に沿って修理を行ってください。

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必要なもののリスト

パーツ
◆ 各種水栓用パッキン
◆ 各種水栓用コマ
◆ シールテープ

作業をはじめる前にすること

★作業の前に必ず止水栓を閉めましょう

 止水栓の場所を確認し、作業前に必ず閉めましょう。うっかり閉め忘れると床が水びたしになってしまいますので、忘れないようご注意ください。

 流し台や洗面台の場合は、台の下に個別の止水栓がついています。手で回すハンドルタイプやマイナスドライバーで回すタイプがあるので、それぞれの仕様に合わせた方法で閉めてください。湯水が1つの蛇口から出る混合栓の修理をするときは、お湯と水の両方の栓を閉めてから作業しましょう。

 壁つけ水栓のように個別の止水栓がないところの修理をするときは、屋外の水道メーターボックス内か独立した止水栓ボックス内にある止水栓を操作して、住宅全体の水を止めてください。
◆水道蛇口(水栓)のしくみ
 自分で水漏れ修理を行うには、まず水道蛇口のしくみを知っておきましょう。2ハンドルの混合栓も基本的なしくみは単水栓と同じです。右図にて蛇口内部の構造と各パーツの名前を確認してください。

ワンポイントアドバイス

◆ご自宅の水栓のサイズをチェック!
 水栓のサイズは右図のように取りつけネジの大きさ(直径)で決められています。一般の家庭で主に使われているのは、JIS規格の13(1/2)という直径約20mmのタイプですが、念のためメジャーやノギスで測ってからパッキンや交換用の蛇口を用意して作業を行いましょう。

単水栓、2ハンドル混合水栓の水漏れ修理

まずは水漏れ箇所のチェック

A)吐水口からの水漏れ →

 ハンドルを閉めても先端の吐水口からポタポタと水漏れする場合は、コマパッキンの劣化が原因である可能性が高くなります。パッキンを交換するか、コマごと取り替えましょう。

B)パイプのつけ根からの水漏れ →

 パイプが回転するタイプ(自在水栓、ホーム水栓、洗濯機用水栓など)では、パイプのつけ根から水漏れする場合があります。まず最初に水栓とパイプをつなぐナットが緩んでいないか調べます。緩んでいる場合は、ウォーターポンププライヤーで締めつけてください。緩んでいない場合は、内部に使われているパッキンの劣化が原因です。新しいものに取り替えましょう。

C)水栓のつけ根からの水漏れ →

 水栓を壁や台にねじ込んでいる部分のパッキン、ネジに巻いたシールが劣化している可能性があります。パッキンとシールの両方を新しいものに取り替えましょう。

D)ハンドル下のカバーナットからの水漏れ →

 ハンドルの下からジワジワと水漏れしている場合は、カバーナット内の三角パッキンが劣化しています。新しいものと交換しましょう。

 

※屋外に設置した水栓柱の蛇口から水漏れした場合も、チェックと修理の方法は同じです。

 

水漏れ箇所別の修理方法

A)吐水口からの水漏れ

1.はじめに
パッキン押さえのナットをウォーターポンププライヤーを使って緩めます。ハンドルを全開にして上部を外します(補修するときは、必ず止水栓を閉めてください)。
2.コマを取り出す
本体内部のコマをピンセットなどを使って取り出します。
3.コマのサイズと種類を確認
コマのナットを外して、パッキンを交換します(エスコマ・節水コマは使い捨てです)。コマにはいくつかのサイズとタイプがあり交換するときは同じものを見つけるのがいちばん安心です。また、タイプとしては、節水型のコマや寒冷地用の水栓に使われるスピンドルに固定するコマなどがあります。
4.最後は外した順序と逆に固定
スピンドルに差し込んだコマを指先で軽く押さえながら、本体にはめ込みます。あとは、外した順序と逆に固定していきます。

※参考(2ハンドル混合水栓の場合)

◆吐水口から水が漏れる場合
作業の前に必ず止水栓を閉めてください。蛇口から水漏れしているときは、本体内にある古くなったケレップ・コマやパッキンを新しいものと取り替えましょう。

B)パイプのつけ根からの水漏れ

1.ナットのゆるみをチェック!
パイプを水栓に固定しているナットを、ウォーターポンププライヤーで矢印の方向に締めつけます。ナットの緩みが原因なら、これで水漏れが止まります。直らない場合は以下の手順でUパッキンを交換してください。
2.水栓パイプを取り外す
ナットを緩めて、水栓パイプを取り外しましょう。
3.リングとUパッキンの取り替え
左図のようにパーツを分解して、リングとUパッキンを取り替えます。
4.締めすぎに注意!
Uパッキンを水栓本体にはめ込みます(溝のある方を本体に向けます)。次にナットとリングを通したパイプを差し込んでナットを締めます。締めすぎないように注意しましょう。

※参考(2ハンドル混合水栓の場合)

◆パイプのつけ根から水漏れする場合
1.両方のハンドルを閉めます。パイプを接続しているナットに緩みがないかをチェックし、緩みがない場合は外してパイプを抜き取りましょう。
2.パイプの根元についてるUパッキンとリングを新しいものと取り替えます。このときパッキンの凹部を本体側に向けて取りつけ、ナットを締めていきましょう。あまりきつく締めすぎるとパイプの動きが悪くなりますのでご注意ください。

C)蛇口の取りつけ部分からの水漏れ

1.水栓金具の取り外し
水栓レンチを水栓本体にかけて矢印の方向に回し、水栓金具を取り外します。補修するときは、必ず止水栓を閉めてください。
2.シールテープと根元のパッキンの取り替え
古いシールテープと根元のパッキンを取り外して、新しいものに取り替えます。シールテープは根元の方から軽く引っ張りながら2~3回巻きつけます。水栓金具を右回りに止まるまでねじ込んで取りつけます。取りつけ後に水洗金具が傾いてる場合は、シールの巻きを増減してまっすぐになるように調節してください。

※参考(2ハンドル混合水栓の場合)

◆取りつけ部から水漏れする場合
1.止水栓を閉め、本体とクランクを接続しているナットを左右とも緩めて本体を取り外します。
2.本体とクランクの間にあるパッキンを新しいものと交換しましょう。

D)ハンドルの下からの水漏れ

1.パッキン押さえのナットを緩める
パッキン押さえのナットをウォーターポンププライヤーを使って緩めます。ハンドルを全開にして上部を外します。補修するときは、必ず止水栓を閉めてください。
2.三角パッキンの取り替え
カラービスを外し、図のように分解してパッキン押さえの下の三角パッキンを新しいものと取り替えます。取り替えがすんだら分解した部品を組み立てて、取りつけます。

※参考(2ハンドル混合水栓の場合)

◆ハンドルの下のカバーナットから水漏れする場合
1.ハンドルを取り外す
止水栓を閉めてから赤青のキャップを外します。ドライバーを使って中のビスを緩めると、ハンドルを取り外すことができます。
2.パッキン押さえのナットを緩める
ハンドルを上へ引き抜いて、レンチを使ってパッキン押さえのナットを緩めます。
3.三角パッキンとパッキン受の交換
ナットの下に入っている三角パッキンとパッキン受けを新しいものと交換します。パッキンを取り出すときにピンセットなどを使うと良いでしょう。

シングルレバー混合水栓の水漏れ修理

 最近、新築の建物のキッチン(台所)や洗面所などに使われている蛇口は、ほとんどが1本のレバーで水とお湯を出せるシングルレバー混合水栓というタイプです。シングルレバー混合水栓は水量調整と温度調整を1本のレバーで無段階に行えるため、2ハンドル混合水栓に比べて操作が簡単でデザイン性が高いという特徴があります。2ハンドル混合水栓とは蛇口内部のしくみと修理方法が異なるので、水漏れが発生したときには注意しましょう。


■水漏れの多くはバルブカートリッジの故障が原因

 シングルレバー混合水栓の本体の内部には、レバーの上下、左右の動きに合わせて水量調整と温度調整を行う『バルブカートリッジ』という部品が内蔵されています。いわばこのタイプの蛇口の心臓部で、水漏れなどのトラブルはほとんどがこのバルブカートリッジの故障によるものです。

 シングルレバー混合水栓の水漏れ修理では、たいていバルブカートリッジの交換が必要になります。メーカーによって形状などが変わってくるので、修理の際にはメーカーと型番を確認してご自宅の水栓に適合したものを用意してください。


シングルレバー混合水栓での水漏れ箇所とその原因

A)レバーの下からの水漏れ

 シングルレバー混合水栓の多くは、レバーを上げて水を出し、レバーを下げて水を止める構造になっています(逆の場合もあります)。このうち水を出しているときにレバーの下から水が漏れる場合があります。もっともよく動かす部分なので、バルブカートリッジのどこかが摩耗して水が漏れている可能性があり、修理にはその交換が必要です。

B)胴体部分(スパウト)からの水漏れ

 上のケースと同じように、水を出しているときに吐水口の根もとの胴体部分(スパウト)の上や下から水漏れが発生することがあります。原因はバルブカートリッジかOリング、UVパッキンの劣化が考えられます。DIYで修理する場合は原因箇所を特定するのが難しいので、バルブカートリッジとパッキン類を一緒に交換しましょう。

C)吐水口からの水漏れ

 水を完全に止めているときに吐水口からポタポタと水が漏れる症状です。原因はバルブカートリッジの劣化や故障です。バルブカートリッジを交換してください。

 

バルブカートリッジの交換方法

 シングルレバー混合水栓の水漏れの原因としてもっとも多いのがバルブカートリッジの劣化や故障です。バルブカートリッジの部分的な修理は難しいので、水漏れの修理ではバルブカートリッジを交換するのが確実です。

 まずは水栓のメーカーと水栓の外側に書かれている型番を確認し、使用しているバルブカートリッジの型番を調べましょう。メーカーに問い合わせても、インターネットで検索しても調べることができます。型番がわかったらホームセンターや通販サイトなどで購入し、以下の手順で交換しましょう。

1)隠しネジを外す

 水栓前面のレバーの下に小さな丸いポッチがあります。これはネジをカバーしているキャップです。小さいマイナスドライバーなどでこのキャップを外し、その中にあるネジを外すと水栓を分解できる状態になります。

2)水栓を分解する

 レバーを外し、その下にある胴体(スパウト)のカバーを取り外します。

3)バルブカートリッジを交換する

 バルブカートリッジが露出するので、新しいものに交換します。パッキンを交換する場合は、胴体(スパウト)まで取り外して作業します。

4)水栓を組み立てる

 分解したときと逆の手順で部品を組み立て、ネジを締めて固定して最後にキャップを取りつけて作業は終了です。

まとめ

 細かく分類すると蛇口にはいくつも種類がありますが、実際には蛇口の規格は数種類程度です。正しい手順で修理し、今後トラブルがあっても対処できるようになると安心です。修理が難しいと感じた場合は業者から見積もりを取り、料金を確認してから依頼すると良いでしょう。

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