蝶番の種類と調整方法

 ドアや扉、蓋などの2つの物を開閉するには“支え”が必要となります。この“支え”に大きな役割を果たすのが、蝶番と呼ばれる金具です。そのため、DIYで扉やドアを取りつける際には必須のアイテムといえます。
 蝶番にはさまざまな種類があり、用途によって使い分けられているので代表的な蝶番の特徴と主な取りつける場所を紹介します。そして、扉を閉めたときに蝶番が見えず、見栄えが良くなることからシステムキッチンやキャビネットの扉などに使われているスライド蝶番についても紹介します。

目次
第1章:蝶番(丁番、ヒンジ)とは
第2章:蝶番(丁番、ヒンジ)の種類
第3章:スライド蝶番(丁番)とは
第4章:スライド蝶番(丁番)の名称と種類
第5章:スライド蝶番(丁番)の調整方法

第1章:蝶番(丁番、ヒンジ)とは

 蝶番は、ドアや扉などの開閉に使われる金具で、DIYで扉を取りつける際に欠かせないアイテムです。
 蝶番と呼ばれるようになった由来は、2枚の金属板と1本の軸を組み合わせた形状が羽を広げた“蝶”に似ていることからです。元々は、番を“つがい”と読んでいた名残から、“ちょうつがい”と読んでいましたが、現在では“ちょうばん”と読むのが定着しています。
 ホームセンターやショッピングサイトで見かける商品には「丁番」と表記されているものもあります。これは建築業界で「丁番(ちょうばん)」という当て字が使われるようになったためです。また、英語のhinge(ヒンジ)も名称として用いられるケースがあります。蝶番、丁番、ヒンジ、この3つの名称は全て同じ意味を指すのです。

第2章:蝶番(丁番、ヒンジ)の種類

 いろいろな呼び方がある蝶番ですが、種類もさまざまなタイプがあります。取りつける場所によって選ぶほか、扉と側板の厚み、開閉角度、右開きか左開きかなどを見極めて選ぶようにしましょう。
 基本的に蝶番の取りつけは、2ヶ所以上が求められます。形状が異なるタイプを使用してしまうと、扉がガタついたりやスムーズに開閉ができない原因になるので注意してください。

●平蝶番

 最も一般的なタイプの蝶番です。角蝶番とも呼ばれていて、管の中に通った芯を軸に両側の羽が動きます。サイズや材質なども多種多様です。このタイプは主に、背押しなしタイプと背押しつき(スエージング)タイプの2種類があります。背押しタイプは、180度に開くと、羽が回転軸の端に来てフラットになります。
 一方、背押しつき(スエージング)タイプは、180度に開くと、羽が回転軸の中心に来るので、彫り込みをしないで直に取りつけると厚みの分、閉じたときに隙間が生じます。

〔使える主な場所〕
家具全般

●アングル蝶番

 羽に角度がついていて扉や側板の厚さに合わせて選びます。片方は、彫り込んで取りつけ、もう片方は突きつけで取りつけます。
 家具の扉に使用するのが一般的で、取りつけた扉を大きく開けることができます。片開きと両開きのタイプがあるので注意してください。

〔使える主な場所〕
家具全般

●ドロップ蝶番

 ミシン蝶番とも呼ばれていて主に下側に開く扉や延長用の台で利用されます。両サイドに彫り込みをして取りつけるので材料同士の隙間や段差がなく見栄えもきれいです。

〔使える主な場所〕
テレビボード、ライティングボードなど

●自由蝶番

 軸にコイルバネが内蔵されているため、扉を開けてもコイルバネの力によって自動的に元の位置に戻るのが特徴です。コイルバネの強さを変えることができるため、戻りの強弱の調整も可能です。

〔使える主な場所〕
カウンターやオフィスの扉など

●儀星蝶番

 平蝶番のような形状で、軸に天地の儀星がついているのが特徴です。扉を開いたときに軸の儀星を上から抜き取ることができます。蝶番のビスを外さなくても重いドアの取りつけや取り外しが可能になります。

〔使える主な場所〕
ドア扉

●左右兼用旗蝶番

 抜き差しができる蝶番です。主にマンションの玄関ドアなど重量のあるドアに使用されています。取りつけた後も扉側と枠側を簡単に外すことができます。

〔使える主な場所〕
鉄やステンレス製の玄関ドアなど

●スプリング蝶番

 バネ蝶番とも呼ばれていて、自由蝶番と同じ軸の部分にバネ機構を採用しています。扉は外側にのみ開き、手を放すとバネの力で元の位置に戻ります。自由蝶番と違ってバネの調整ができません。観音開きにしたい場合は、両開き用を選ぶようにします。

〔使える主な場所〕
カウンターの扉など

●ガラス蝶番

 ガラス扉専用の蝶番。ビスの打てないガラスに挟み込んだりするなどして固定させます。ガラス加工が必要なものから不要なものまで多彩な種類が揃っています。

〔使える主な場所〕
ガラス扉、ショーケース、家具など

●蝶番掛金

 軸のハンドル部分を引き抜くことで、取り外しが簡単にできます。抜き差し蝶番と同じ用途ですが、軽い扉やケースの蓋などに取りつけるのが一般的です。

〔使える主な場所〕
木製の扉や蓋など

●トルク蝶番

自分の好みの角度で固定できるのが特徴で、フリーストップ蝶番とも呼ばれています。開閉中の扉や蓋などを任意の位置で止めて保持することが可能です。モニターの角度調整用として最適な蝶番です。

〔使える主な場所〕
監視カメラやモニターなど

●ピアノ蝶番

 長蝶番とも呼ばれています。他に比べて軸方向に長いのが特徴です。蓋1枚に対し、蝶番1枚を使います。扉の反りの防止やセキュリティ性を高めるために利用することが多いアイテムです。カットして使用することも可能です。

〔使える主な場所〕
ピアノ、机、薄い扉など

●アンティーク蝶番

 平蝶番の一種で、個性的なデザインが特徴です。色や形が豊富で、作品に取りつけることで好みのテイストに仕上げることができます。

〔使える主な場所〕
家具全般

●とーめい蝶番

 アクリル板用の蝶番。アクリル板を加工して箱を作成したり、蓋や扉を取りつける場合に使用します。ビスで取りつけるのではなく、専用の接着剤で取りつけます。

〔使える主な場所〕
アクリル板

・とーめい蝶番用接着剤

 アクリサンデーから発売されているアクリル樹脂用接着剤。接着する板同士をセロハンテープで仮どめし、接着剤を筆や注射器で少量流します。5分ほど乾かせば接着完了です。

第3章:スライド蝶番(丁番)とは

 スライド蝶番は、隠し蝶番の1つで、扉を閉めたときに外からは蝶番が見えない構造になっているのが特徴です。主に、システムキッチンやキャビネットなどに採用されています。
 スライド蝶番は大別すると、「全かぶせタイプ」「半かぶせタイプ」「インセットタイプ」の3タイプに分かれます。

第4章:スライド蝶番(丁番)の名称と種類

①リンク
②フレーム
③傾き調整ネジ
④前後調整ネジ
⑤座金

●全かぶせタイプ

 側板に扉が全て覆うように取りつけます。

●半かぶせタイプ

側板に扉が半分覆うように取りつけます。隣に接して扉を取りつける際、互いを干渉させないためのものです。

●インセットタイプ

側板に扉が全て収まるように取りつけます。

第5章:スライド蝶番(丁番)の調整方法

スライド蝶番を取りつけた扉がズレたり隙間が生じた場合は、ドライバーを使ってネジを締めたり緩めたりする簡単な調整だけなので知っておくと便利です。
※写真は「全かぶせタイプ」です。

1)扉の上下のズレ

 電源遮断装置は設定した震度の地震が発生すると、停電が起きない場合でもブレーカーが落ちて電源が遮断されます。夜は部屋の照明器具が使えずまっ暗になるので、懐中電灯や停電時に点灯する非常灯などを備えておきましょう。

2)扉と本体に起きる隙間

ドライバーでネジCを反時計回りに緩めていきます。扉を軽く押しながら、正確な位置に戻します。次に、固定したままネジCを時計回りに回して締めていきます。

3)扉の合わせ目に起きる隙間

ドライバーでネジBを回すと扉が動くので、微調整して隙間をなくすようにします。隙間がない位置にしたら、ネジBを回すのをやめます。

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