掛金の種類

 小さいお子さんが片っ端から棚の扉を開けてしまうので心配。用心のため、駐車場に設置した物置に鍵をつけたい。こうした扉に関する悩みを、簡単なDIYで解決できるのが『掛金(かけがね)』の利用です。掛金自体は小さい金具で、取りつけ作業も簡単。それでいて目的に合う種類のものを選べば、安心効果は抜群です。この記事がピンときたら、ホームセンターの金具売り場に直行しましょう!

目次
1.掛金とは
2.掛金の種類
3.掛金の失敗しない取りつけ方法

1.掛金とは

 建物や家具の開き戸は、扉を枠やもう一方の扉とつなげておかないと、風や少しの傾きで開いてしまいます。扉を閉じた状態にしておくことができて、開けるときには簡単な操作で外すことができる留め具として使われるのが、『掛金(かけがね)』という金具です。

 掛金は一方の扉に掛け金具、もう一方に受け金具を取りつけておき、双方をまたぐように掛け金具をセットすることで開き止めになります。形状や留め方の異なるタイプが各種あり、引き戸の施錠にも使えるもの、鍵を掛けることができて防犯に適したものなども揃っています。入手するときには、それらの中から用途に適したものを選ぶ必要があります。

■掛金の使用例

【安全】赤ちゃんやペットのフェンスなど。

【防災】震災に備えて食器棚の扉など。

【防犯】木製雨戸、倉庫、門扉、ショーケースなどの補助錠として。

【いたずら防止】郵便ポスト、集合住宅のゴミ集積箱などの施錠。

2.掛金の種類

 掛金には扉が開くのを防ぐという基本的な役割に加えて、取りつける場所や目的に合わせて利便性を高めるために、形状に工夫をしたり、機能を追加したタイプがあります。その中から代表的な種類を紹介します。

【丸かんタイプ】

 板状の掛け金具をもう一方の丸かんに掛けて留める、もっともオーソドックスなタイプの掛金です。丸かんを90度回すと施錠されて掛け金具が外れなくなるしくみで、引き戸と開き戸のどちらにも開き止めとして取りつけることができます。施錠した状態では取りつけのネジはすべて隠れるので、丸かんに南京錠をつけると防犯用の錠として利用できます。

【鍵つきタイプ】

 丸かんの代わりに標準で鍵をつけた防犯用の掛金です。南京錠をつけ外しする必要がなく、施錠と解錠がとてもスマートに行なえます。頻繁に開け閉めするロッカーや書類保管棚などでの使用に適しています。

【丁番掛金】

 ヒンジの部分で分離して掛金としても使える特殊な丁番です。通常は丁番として扉を固定しておき、ピンを抜くと簡単に枠から扉を取り外すことができます。取り外せるようにしたい扉やフタの丁番として使うほか、90度などに曲げた状態で施錠できるので、赤ちゃんやペットのフェンスを柱や壁につけて閉めるときの掛金としても使用できます。

【スライドラッチ】

 ボルトをスライドさせて反対側の受け金具に差し込み、開き戸の扉が開かないように固定する掛金です。働きとしてはまさに閂(かんぬき)と同様になり、小型化してさまざまな場所につけやすいようにしたものと思えばわかりやすいでしょう。
 上の写真のものはもっともオーソドックスなタイプのスライドラッチです。スライド溝の両端には取っ手がはまる切り欠きが設けてあり、差し込んだ状態と引き抜いた状態のどちらでもボルトがずれないように止めておくことができます。

 スライドラッチは取っ手部分やボルトの形状の異なる派生タイプが出ており、用途に合わせて選ぶことができます。
P型のリング状になっている取っ手部分が特徴的な『Pラッチ』。取っ手が大きいぶん通常のスライドラッチよりも掴みやすく、ボルトの操作をラクに行えます。

公衆トイレの個室の扉などに内鍵としてよく使われている『角ラッチ』と呼ばれるタイプです。ステンレス製の四角く太いボルトを採用していて強度が高くなっています。施錠、解錠の操作がしやすいように、取っ手は大きく掴みやすい形状に作られています。

ボルトの一部をU字型に曲げて取っ手にしたタイプです。台座から突き出た金具には穴があいており、施錠して取っ手をその金具に掛けると南京錠を取りつけることができます。防犯性を高くしたい門扉や物置の扉などに、後づけの錠として使用できます。

【プッシュラッチ(自動ラッチ)】

ボルトを押し込むだけでロックが掛かって施錠でき、解除ボタンを押すとボルトが戻って解錠できるワンタッチ操作のラッチです。開閉する頻度の高い扉にぴったりの掛金です。

【打掛】

 バーを回転させてもう一方の受け金具に収めるタイプの掛金です。受け金具についているネジ(写真の商品では金色のもの)を締めつけるとバーが押さえられ、ズレやガタつきを抑えることができます。

【丸落し】

 両開きの門扉、親子ドアの子扉を床や枠に固定しておくために、扉の下または上下に取りつける掛金です。金具本体についているボルトが上下にスライドし、床や枠に埋め込んだ受け金具の穴に入って固定します。『フランス落とし』とも呼ばれています。

【パドボルト】

 小屋やフェンスの扉に取りつけてヘビーデューティーな雰囲気を演出したいときにぴったりの、大きく頑丈なウエスタンスタイルの掛金です。同じタイプの丁番などとセットで使用すると、仕上がりの統一感がアップします。手袋を着けたままでも掴みやすい大型の取っ手などは、庭で使用する際の実用面からもメリットがあります。

【あおり止め】

 フックをもう一方につけたリングに引っ掛けるタイプのシンプルな掛金です。フックと受け金具は両方ともネジになっているので、下穴をあければ簡単に取りつけることができます。箱や棚の小扉に使う小さいサイズから、小屋扉に使える大きいサイズのものまで用意されています。

3.掛金の失敗しない取りつけ方法

 掛金の取りつけ作業自体は扉や枠にネジで金具を固定するだけの簡単なものですが、慎重に位置合わせを行う必要があります。というのも、掛け金具と受け金具の上下や距離がずれてしまうと、きつくてスムーズな操作ができなかったり、最悪の場合は施錠できなかったりと不具合が発生するからです。

 慣れていない人が片手で金具を押さえながら、もう一方の手でキリやドライバーを使って作業するのは難しいものです。そこでDIY初心者でも簡単かつ正確に掛金を取りつけられる方法を紹介します。

■失敗しない取りつけ方のポイント

(1)両面テープで仮どめする

 あらかじめ2つの金具の取りつけ面に両面テープを貼っておきます。掛金をスムーズに開閉できることを確認しながら位置を決めて、扉や枠に貼りつけましょう。この仮どめの状態でもう一度、掛金の動きをチェックして、引っ掛かりを感じたら微調整をしてください。


(2)下穴をあける

 金属の扉に取りつけるときはもちろん、木やプラスチックの扉に取りつけるときも、下地が割れるのを防ぐためにネジの下穴をあけるようにしましょう。ネジ位置のズレによる金具のズレも防ぐことができます。

 キリもしくは付属のネジより径の細いドリルを使ってネジ穴のまん中に下穴をあけ、ドライバーでネジを手締めしてください。ネジを折ったり、ネジの溝を壊したりしないためには、ドライバーで手締めをする方法が確実です。


(3)穴がずれたときの修正方法

 万が一、取りつけ位置がずれて掛金が掛からなかった場合は、最初の穴の位置からずらして作業をやり直してください。位置を変えられないときは、木工パテなどの穴埋め材で最初の穴をふさぎ、パテが固まってから位置を修正して穴をあけなおしましょう。

まとめ

 掛金は扉用の金具というイメージが強いようですが、開閉部分の開き止めや部材同士の連結などに広く使うことができます。例えば小物入れや道具箱のフタや脱着式の延長天板など、DIYでも活用方法はさまざまです。ここで紹介した種類を頭に入れておいて、製作のアイデアを広げてみてはいかがでしょうか。

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