カーテンの種類と特徴を徹底解説
デザインと機能性をチェックしよう!

 「新築、引越し、模様替え、部屋の印象を一新したいときに重要なインテリアとなるのが、目に入りやすく、デザインの豊富なカーテンです。しかし、いざ選ぼうとするとわからないことが多くて戸惑うのではないでしょうか。インテリアのイメージに合わせるだけでなく、取りつける窓との相性、快適さをアップするための機能性も気になるところです。そこで今回は、部屋に最適なカーテン選びのサポートになるように、タイプや機能について解説していきます。

目次
1章 タイプ別カーテンの種類
2章 機能別カーテンの種類
まとめ

第1章:タイプ別カーテンの種類

 カーテンと言うと、レールから吊る柔らかい布地の製品をイメージしますが、窓に取り付けて日差し除けや目隠しをするアイテムとしては、ロールスクリーンやブラインドなども選択肢に入ります。窓ごとに求める機能や印象に合わせたチョイスができるように、それぞれのタイプの特徴をチェックしましょう。
ドレープカーテン
 ドレープカーテンとは厚手の生地で作られた、ゆったりとして美しいヒダがあるタイプのカーテンです。動きのある表情はとても豊かで、布地ならではのやわらかな印象を部屋にもたらします。機能的には、外からの視線を遮るのはもちろん、遮光や断熱の効果もあり、それでいて開閉もラクにできる万能型といったところ。タイプ選びで迷ったら、ドレープカーテンを選んでおけばまず間違いないでしょう。

 コットンやリネン、ウールなどの自然素材のほか、ポリエステルなどの化学繊維が使われていて、素材感や機能性はさまざまです。また、シンプルな無地、オーソドックスなストライプやチェック、さらにはポップなプリント柄やゴージャスな織り地など色柄の種類も豊富に用意されていて、部屋を思い通りのイメージに演出できるインテリアとしても魅力的です。
レースカーテン
 透け感のある素材で作られた薄いカーテンで、外からの視線をソフトに遮りながら適度に光を通し、やわらかな自然光を取り込みます。窓にダブルレールを設置してドレープカーテンとセットで使われることが多く、日中は光をコントロールする主役として、夜間はドレープカーテンの裏で保温効果をアップする脇役として活躍します。

 最近は生地に特殊加工が施されていて、UVカットやミラー効果を備えるタイプも増えています。デザイン性をあまり重視されないところがありますが、美しい刺繍が入ったり、色を使ったりした魅せるタイプもあり、デザインにこだわって選ぶこともできます。
カフェカーテン
 カフェカーテンとは、小窓や出窓、はめ殺しの窓などに目隠しのために取り付ける丈の短いカーテンのこと。上部を筒状にしているか等間隔の穴があって、そこにポールを通して取り付けるので、カーテンレールがついていない窓でも突っ張り棒を使って簡単に取りつけられます。

 目隠しと装飾を兼ねながらも採光性が求められるので、光を取り込めるレース素材や薄手のコットン生地を使ったものが主流です。

 窓枠に近い幅にしてフラットに掛けてもよいですが、幅を長めにしてゆったりとしたウェーブを作るようにすると、フワッとやわらかい印象になります。

シェード
 コードやドラムなどの装置を使って生地を畳みながら昇降し、上下に開閉するタイプのカーテンです。下ろしているときはフラットですっきりした見た目になりますが、厚めの生地の素材感からロールスクリーンに比べてやわらかい印象になります。
 
 シェードは上げたときの形状などによって、プレーンシェード、シャープシェード、バルーンシェードなどの種類があります。生地とともに形状選びにこだわれば、装飾性を高める使い方も可能になります。

ロールスクリーン
 下ろしているときはフラットなスクリーン状で、上部のドラムに布を巻き上げて収納するのがロールスクリーンです。ヒダがないため下ろしていてもスマートですし、巻き上げているとほとんど存在を主張しません。窓まわりをスタイリッシュに見せる用途にもっとも適しています。

 通常のタイプはロールアップすると外から丸見えになるので、目隠しと調光を同時にコントロールするには、下ろした状態で部分的に採光できる調光ロールスクリーンがおすすめです。

 ロールスクリーンは窓だけでなく、部屋の間仕切りや収納の目隠しとしても利用できます。

ブラインド
 アルミなどを素材にしたスラットと呼ばれる羽根を、平行に何枚もつなげたハードタイプのカーテンです。窓を開閉するとき以外にブラインド全体を上げ下げする必要がなく、コードでスラットの角度を変えるだけの簡単な操作で、視線と採光、通気を同時に調整できます。

 スラットの素材はスタイリッシュなアルミ製、ナチュラルで温かみのある木製、カラフルで浴室などの水まわりでも使える利便性が特徴の樹脂製などから、部屋に合わせて選ぶことができます。また、スラットの向きが縦方向になっている縦型ブラインドは、左右に開閉するのでテラスへ出入りする掃き出し窓に取り付けることもできます。

第2章:機能別カーテンの種類

 カーテンはもともと視線や光を調整するという基本的な機能を備えていますが、繊維や生地への加工技術の進歩にともなって、快適性や安全性を高めるさまざまな機能が加えられています。カーテンを選ぶ際には、デザインや価格とともにこうした機能性もチェックしたいポイントです。

遮光
 室内外、双方向の光の透過を遮るのが遮光機能です。街灯の灯りや朝日が入る寝室、逆に室内の明かりを外に漏らしたくないリビングなど、光に関する悩みを解決したい場合に有効です。

 日本ファブリック協会では、遮光率99.40%以上の製品に遮光カーテンの表示を認めていて、遮光率の高さによって1級から3級までに区分しています。遮光率が99.99%と最も高い1級は、「人の顔の表情が識別できないレベル」なので、部屋をできるだけ暗くしたい場合はこのクラスの製品をおすすめします。

遮熱
 外部から入ってくる熱を遮り、室内の温度上昇を防ぐ機能です。日中に室内の温度が上昇する原因となる赤外線の侵入を防ぐため、夏の冷房効果を高めて電気代の節約にも貢献します。直射日光が差し込む南向きの窓がある部屋で、手軽に取り入れられる省エネ対策となります。

防音
 音の漏れや侵入を防ぐ性能を高めたタイプです。生地への特殊な加工で音を遮る「遮音機能」と、織り密度の高い生地を使用して音を吸収する「吸音機能」とがあります。話し声やペットの鳴き声などの音漏れが気になる、道路に面した部屋などにおすすめです。

 ただし音は種類によって伝わり方が異り、車や電車の走行音などに対しては防音カーテンの効果は小さいと言われています。楽器の演奏音などはそれぞれの音質によって効果が変わる可能性があるので、音でお悩みの場合はメーカーに問い合わせるとよいでしょう。

ウォッシャブル
 縮みや変色といった洗濯後の変化が小さく、家庭用の洗濯機で丸洗いできる性能です。子供部屋やリビングのように人の動きが多く、カーテンが汚れやすい部屋での使用におすすめの機能です。

防炎
 生地に燃えにくい加工がされていて、万が一に着火しても燃え広がりにくいカーテンです。電気ストーブやファンヒーターの熱が原因で、布製品が発火する火災は毎年発生しています。キッチンのコンロの近くや冬にストーブを使う部屋に、安全への備えとして防炎機能のあるカーテンを選ぶと安心です。高層マンションなどでは防炎カーテンの設置が義務づけられています。

UVカット
 窓を透過して室内に降り注ぐ紫外線は、人を日焼けさせるのと同じようにインテリアにも影響を与えます。長期間にわたって紫外線があたり続けると、家具やフローリングなどの木製品はもちろん、畳やプラスチック製品、革製品などさまざまなインテリアが退色したり、劣化してもろくなったりします。UVカット機能は、繊維が紫外線を吸収したり、乱反射させたりする加工をして有害な紫外線の侵入を抑えるもの。住まいを守るために無視できない機能です。

ミラー/遮像
 「ミラー」と「遮像」はどちらも外から室内を見えにくくする機能です。

 一般的なレースカーテンでもある程度は視線を遮ってくれますが、外から注視されたり、室内が明るかったりすると、シルエットが透けて見えてしまいます。その対策として、窓側の面に鏡のような光沢のある糸を使用し、光を反射することによって外から室内を見えにくくできるのがミラーカーテン(ミラーレース)です。通気性や採光性といったレースカーテンのメリットはそのままに、日中の視線をカットしたい方に最適です。夜間に室内の電気をつけると、ミラー効果がなく外から透けて見えてしまうので、使い方に注意が必要です。
 一方の遮像カーテンは、夜間に室内を明るくしても外からようすが見えづらい、プライバシー保護機能の強化版です。ミラーカーテンと違って、室内からも外の景色が見えづらいというデメリットはありますが、プライバシーを確保できるレースカーテンを探している方にはぴったりです。
花粉キャッチ
 花粉の侵入経路は、窓や換気口からが6割と言われています。外出したときの衣類への付着や洗濯物の干し方にどれだけ気をつけても、窓から侵入する量を減らさなければ室内の対策は不十分です。窓を開けて通気しながら花粉をブロックするのは難しいものですが、窓辺でフィルターの役割を果たしてくれる花粉キャッチカーテンは、ひとつの解決策となるでしょう。
 レースの花粉キャッチカーテンは、空気中を浮遊している花粉を絡め取るように特殊加工した繊維で作られています。通気のために開けておきたい窓に取り付けておくと安心です。

まとめ

 ここまでタイプと機能の紹介をご覧になって、カーテンの種類の多さに驚いたのではないでしょうか。部屋の用途や窓の位置などによって、求めるデザインや機能は異なります。カーテン選びでは、それぞれの窓の役割や問題点をはっきりさせるとともに、部屋全体をコーディネートする2つの視点が必要です。どんな部屋にしたいのか、プランを立てて家族で楽しみながら選んでもよいでしょう。

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