プライヤーとペンチの違いの違いとは? ペンチの種類と使い分けのコツ

 ペンチ、プライヤー、ニッパー、その違いは理解されているでしょうか? 一見すると、どれも同じような形をしています。基本は2つの金属の棒が、1つの軸で組み合わされているというもの。どれもまるでハサミのようなデザインでその形からなんとなくその用途が想像できるのではないでしょうか。それにペンチやニッパーなどは、日曜大工やDIYでも頻繁に使用される工具なので、その名前を聞いたことがあるという方も多いはずです。 

 でも、なんとなく知ってはいても、見よう見真似で使っていたり、本来はどのような用途の工具なのか、正確には知らないという方もきっといるのではないでしょうか。
 そのデザインを見れば、先端で何か物を挟むためのものだろうということは、理解できるはずですが、その使い分けがきちんとできていないケースも見受けられます。
 そもそも、名前が違うということは、当然用途も違うということです。ただ、工具の使用目的にオーバーラップする部分が多く、その違いが非常に分かりにくいのがこれらの工具ともいえます。

 工具に詳しくない人は、もしかしたら全てペンチだと思っているかもしれません。でも、これらの工具には、用途や特長などに明確な違いがあります。きちんと使い分けることで、作業性も高まり、また安全に使用できるのです。そこで、ペンチやプライヤー、ニッパーについて、それらは何が違っていて、それぞれどのような用途に使われる道具なのか、違いや選び方、使い方のコツなどをご紹介します。

1章:ペンチ、プライヤー、ニッパーの違い

2章:プライヤーとペンチの使い分けの方法

3章:ペンチの種類

4章:つかむもののサイズに合ったペンチを使う

5章:それぞれの用途に合った道具を選ぶ

まとめ

1章:ペンチ、プライヤー、ニッパーの違い

見た目は似ているが機能には明確な違いがある


 ペンチは英語では pliers(プライヤー)または cutting pliers(カッティングプライヤー)と呼ばれています。また、ニッパーも英語ではdiagonal cutting pliers(ダイアゴナルカッティングプライヤー)と呼ばれており、いわば全てがプライヤーの一種という扱いになっています。

 しかし、日本ではそうではありません。ペンチやニッパー、プライヤーそれぞれが独立した工具と認識されており、メジャーなのはペンチです。英語ではプライヤーの一種がペンチという扱いですが、日本ではむしろプライヤーの方がペンチの一種とされており、まったく逆の認識になっています。
 本来、2つの金属製のバー(ステー)をピボット(軸)で結合し、自由に開閉できるような構造をした工具のことはプライヤーと呼ぶべきですが、日本ではそれぞれの特長の違いから別の工具として扱われているのです。

 それぞれの違いを簡単に説明すると、まずペンチは刃の先端で物をつかむことができ、さらに刃のつけ根部分(刃部)では針金やワイヤー、細めのケーブルなどを切断することができるという工具です。
 ペンチの中でも代表的なものが電工ペンチです。先端部分にはギザギザが刻まれたアゴがあり、がっちりと物をつかむことができます。しかし、この先端はあまり大きく開くことができないため、つかめる物の大きさに制限があります。JIS規格ではペンチは普通級と強力級に分けられ、普逆級はN、強力級はHという記号で表されます。普通級は標準ペンチ、切断能力に優れた強力級は、強力ペンチやパワーペンチなどとも呼ばれます。
 サイズには幅広いバリエーションがあり、125mm、150mm、175mm、200mm、225mm、250mmなどの種類があります。ペンチの商品名や型番には数字が記載されていますが、多くの場合この長さを表示したものとなっています。

 次にプライヤーの代表となるのが、コンビネーションプライヤーです。ペンチと同じようにつかんだり、挟んだり、ワイヤーなどを切断することが可能です。ペンチと違い、軸の部分がスライドするため、電工ペンチよりも先端部分を大きく開くことができ、太いパイプなどもがっちりつかむことができます。

 そして、ニッパーはこの2つと形は似ていますが、ものをつかむ工具ではなく、金属の線やワイヤーなどを切断するための工具です。ペンチとプライヤーは主に物をつかんだり挟んだりするもので、ニッパーは切ることに特化した工具と理解すると良いでしょう。

 ペンチやニッパー、プライヤーのメーカーとして人気の高いのが、フジ矢、KTC、3peake、長谷川工作所(KEIBA)、TONE、ENGINEERなどの日本のメーカーです。品質が高く長持ちするということから海外でも高く評価されています。

■電工ペンチ

 主に電気工事などに使われることが標準的なのが電工ペンチです。ペンチの代表といえるものでスタンダードペンチなどともいわれています。物をつかむアゴ部分が比較的大きく強靭なため、細めのパイプやケーブルなどをがっちりつかめ、針金やケーブルなどの切断も得意です。
 つかむ力は強力ですが、先端の開口範囲はあまり大きくないため、太いパイプや厚い金属板などを使用する作業には向いていません。標準的なペンチは電工ペンチとも呼ばれますが、配線作業用の電工ペンチ(圧着ペンチ)とは別物です。


■圧着ペンチ

圧着ペンチ
圧着ペンチ
配線用電工ペンチ
配線用電工ペンチ
 電線(ケーブル)と圧着端子を圧縮接合する(かしめる)ための専用工具が圧着ペンチです。ハンダなどを使わずに端子の一部をつぶして(かしめて)コードと配線を確実に接続します。主に電気工事に使用され、配線をまとめて、金属製のスリーブをかしめるための専用のものは圧着ペンチと呼ばれています。そして、圧着ペンチでもクルマなどの配線に使われるリード線などに使われるものは、電工ペンチとも呼ばれます。スタンダードなペンチも電工ペンチと呼ばれますが、それとはまた別物です。
 配線作業に使用する電工ペンチは圧着ペンチよりも繊細な作業に向いており、細いリード線を切断したり、保護被膜を剥くことができ、様々な形の圧着端子のかしめが可能です。また、細いビスなどのネジ山をつぶすことなく切断することもできます。

■コンビネーションプライヤー

コンビネーションプライヤー
 軸のジョイント部分をスライドすることで、アゴが大きく開き、太いパイプやボルトなどをしっかりつかむことができるのが、コンビネーションプライヤーです。固着してしまったボルトやナットなどをつかんで回したり、熱した金属などをつかむなど、幅広く使えます。またペンチと同様にワイヤーなどの切断も行えます。

■ニッパー

ニッパー
 つかむのではなく、切断するための工具がニッパーです。正確に切れるように、刃が鋭利なハサミのようになっています。またつかむのではなく、切るための工具なので、バネ(スプリング)によって、常に開く方向にテンションがかかっており、スムーズな切断作業が可能となっています。
 針金やワイヤー、金属板なども切ることが可能で、刃には、電線の被覆などをはぎとるための脱皮穴も設けられています。サイズのバリエーションも幅広く、電気工事から、電子工作、模型作りなどにも重宝します。

2章:プライヤーとペンチの使い分けの方法

大きな物にはプライヤー、細かな作業にはペンチ


 共に物をつかむための工具である、プライヤーとペンチの違いとは何でしょう。

 ほぼ同じような用途に使うことができるのですが、プライヤーの主な用途は物をつかむ工具であるということ。軸のジョイントをズラすことができるので、ペンチなどではつかめない、パイプなど大きな径のものや、さまざまな形状のものでもしっかりと挟み、つかむことが可能です。
 また刃の部分が大きく開くので、ニッパーなどでは切断しにくい太い針金なども切断することができます。しかし軸が固定されておらず、ある程度遊びがあるため、細かな作業に向いていません。また、切るという作業自体は、実際にはペンチやニッパーほどやりやすくもありません。ただ、その大きく開くという特長から、ボルトなどを回す際にもナットをつかんで回すことが可能です。

 ペンチは、プライヤーのように軸のジョイントがズレることなく、支点がしっかりと固定されています。そのため動きが緻密で、薄い金属板や小さなネジなども確実につかむことが可能です。
 さらにワイヤークラフトなどで針金を曲げたり、切断するといった正確さが求められる作業にも役立ちます。小さなパーツをつかむのが得意なため、電気関係の作業にも向いており、比較的幅広い用途に使用可能です。
 ただし、先端の開口範囲は小さいので、つかむということに関しては、先端が大きく開くプライヤーの方が向いているといえるでしょう。

 こうしてみると、プライヤーとペンチは機能的にはオーバーラップする部分が少なくありません。違いは、比較的大きな物を挟んだりつかんだりするのにはプライヤーを、小さなものを挟んだり、細い針金などを切ったり曲げたりといった作業にはペンチが向いているということでしょう。このことを頭に入れて、うまく使い分けてみてください。

3章:ペンチ・プライヤーの種類

特長を理解し目的に適した工具を選ぶ


 ペンチには汎用性の高い電工ペンチの他、細かな作業に向いたラジオペンチや、電子工作に特化した圧着ペンチなどがあります。また特定の機能に特化したペンチとして、固着したネジやボルトをつかんで回すための専用品もあります。

 プライヤーにはコンビネーションプライヤーの他に、ウォーターポンププライヤーやロック機能を持つバイスプライヤーなどがあります。

 ニッパーは、金属加工用やプラモデル用など樹脂専用品があり、それぞれ刃の構造や厚みなどが違っています。樹脂用を金属切断に使用すると、刃が欠けてしまうこともあります。

 それぞれ、非常にたくさんの種類があり、つかんだり、切断したりする対象の大きさ、厚みにマッチしたタイプやサイズがあります。どんな用途に使うのか正しく見極めて選ばないと、役に立たない場合もあるので、注意が必要です。特長的な機能を持つ代表的なペンチとプライヤーのいくつかをご紹介します。

■ラジオペンチ

ラジオペンチ
 先端が細くなっており、ハンダづけなど繊細な作業に向いているのがラジオペンチです。ラジオの組み立てに使われたことがその名前の由来です。ワイヤークラフトなどで針金を曲げ、細かい形状を作ったり、小さな部品をつかんだりすることが得意で、細いケーブルや針金の切断も可能です。先端が通常のものより長く、狭く奥まった場所での作業に便利な先長ラジオペンチなどもあります。

■丸ペンチ

 形はラジオペンチに似ていますが、先端の刃部は円錐状になっており滑り止めの溝や切断機能が無く、より繊細な作業に向いているのが丸ペンチです。電子工作やアクセサリー作りなどに使用されます。ストレートタイプと先曲タイプがあり用途によって使い分けます。繊細な作業はラジオペンチでも可能ですが、丸ペンチは先端の刃部に滑り止めの溝がなく、細かなパーツなどを傷つけてしまうことがありません。ただしつかむ力はあまり強くないので、力を入れる必要がある作業にはあまり向いていません。

■ウォーターポンププライヤー

ウォーターポンププライヤー
 軸の部分がジョイント式になっていて、口部分を多段階に大きく開くことができるプライヤーです。その名の通り、水道の配管工事などに用いられます。通常のプライヤーに比べて口部分を大きく開くことができるため、コンビネーションプライヤーなどでは対応できない太いパイプでもしっかりつかむことが可能です。また柄も長いため、作業の際に力を込めやすいというのも大きな特長です。そのため、固着して開かなくなったビンのフタを開けるときにも重宝します。

■バイスプライヤー

バイスプライヤー
バイスプライヤー
 バイスプライヤーは、ハンドルを握ることでロックができる便利なプライヤーです。はじめに挟みたい物の厚みに合わせて口の開け幅を調整ネジで調整します。そしてそのまま握れば保持されるので、手を離して別の作業をすることができます。ロッキングプライヤーやグリッププライヤーなどとも呼ばれます。

■偏芯パワーペンチ

偏芯パワーペンチ
偏芯パワーペンチは、支点となる結合部分を切断部に近づける (つまり偏芯させる)ことで、テコの原理を使い、従来の電工ペンチなどよりも切断能力を高めたペンチです。

■特殊ペンチ

特殊ペンチ
 ネジ山をなめてしまったり、頭が潰れてドライバーで回せなくなってしまったネジの頭を強力につかみ、緩めることができるのがネジザウルスなどの特殊ペンチです。ネジの大きさに合わせられるようサイズのバリエーションがあり、電工ペンチタイプ、ラジオペンチタイプ、プライヤータイプなどがあります。
特殊ペンチ
 先端にはこのように深いタテ溝が刻まれています。この部分でわずかに飛び出したネジの頭などを強力につかみ、回して緩めます。

4章:つかむもののサイズに合ったペンチを使う

先端の開く角度によってつかめる大きさに違いがある


 汎用性が高く便利な工具であるペンチやプライヤー、ニッパーは、使いやすいサイズのものを用意しておけば様々なシーンで役に立ってくれます。機能的には、どれも先端部分を噛み合わせることで、物をつかんだり、切断するというものですが、つかむ対象によって適正な大きさが変わってきます。

 例えば針金を使ったアクセサリー作りや繊細な作業が求められる電子工作なら、スタンダードな電工ペンチよりも、先端が細く繊細な作業ができるラジオペンチや丸ペンチが向いています。細くなった先端が繊細な作業を助けてくれますし、つかむ対象にキズなどをつける心配がありません。

 逆に金属の細いパイプなどを、動かないようにがっちりつかみたいという場合は、アゴの部分が十分な強度を持つスタンダードな電工ペンチが適しているでしょう。オススメは200mm前後のものです。
 また、径の太い水道管を扱うような作業であれば、プライヤー、それもコンビネーションプライヤーよりも専用のウォーターポンププライヤーのほうが適しているでしょう。

 このように、スムーズで確実な作業を行うためには、つかむ対象の太さや厚みに合ったペンチやプライヤーを使うことが重要です。

5章:それぞれの用途に合った道具を選ぶ

一般家庭なら汎用性の高い電工ペンチがオススメ


 ペンチやプライヤーは、さまざまなシーンで活躍する汎用的な作業工具であり、物を確実に挟む、つかんで回す、切断するなどDIYや各種作業の際には欠かせません。

 その種類やサイズのバリエーションも豊富ですが、もしこれから購入するなら、一般家庭であれば150~200mmほどのスタンダードな電工ペンチがオススメです。一般的なサイズのネジや釘、板材などを固定したり加工したりといったさまざまな用途に幅広く使えるので、1つ用意しておけばきっと重宝するはずです。
 もっと細かな作業、例えばワイヤークラフトや模型作りなど趣味にも役立つものが欲しいというのであれば、合わせてラジオペンチやニッパーなどを手に入れましょう。この2つがあればDIYや、一般家庭におけるほとんどの作業に対応できるはずです。
 もし、それらだけでは対応できない、水道管や塩ビ管など太いパイプをつかんで回したい、などということがあれば、大型のコンビネーションプライヤーなどを別途揃えてください。目的の作業に対して、どのペンチやプライヤーが適しているか分からない場合は、ホームセンターや工具の専門店などで尋ねてみてください。

まとめ

 ペンチやプライヤーは、がっちりと対象をつかんだり、金属のワイヤーなどを切断することができる便利な工具ですが、挟む力が強力なため使い方を誤ると危険です。くれぐれもつかむ対象のサイズに合わないものや、本来とは違った用途で使用するのは避けてください。合わないものを無理に使用すると、刃先のカケや軸の破損の原因になるだけでなく、ケガにも繋がりかねません。また持ち運ぶ際などは工具ホルダーなどに差し、周囲の安全にも気を配り正しく慎重に使用するようにしましょう。

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