スクレイパーの種類と使い方

剥がす、削るなどの作業に役立つ便利なツール

 古いシールや傷んだ壁紙、床にこびりついた汚れなどを落とすのに、便利な道具(工具)がスクレイパー(スクレーパー)です。また、金属の表面に浮いたサビや古い塗料などを剥がすケレン作業や、張り付いた部品どうしを分離するときなどにもとても重宝します。そんなスクレイパーには素材や用途などによって色々なタイプがあります。うまく使い分けることで各種作業に役立ってくれるそんなスクレイパーについて、種類の違いや正しい使い方、刃の交換方法などについてご紹介します。

目次
1章:スクレイパーとは
2章:スクレイパーの種類
3章:スクレイパーの使い方
4章:スクレイパーの刃の交換方法
5章:スクレイパーを使う際の注意点

1章:スクレイパーとは

 スクレイパー(scraper)とは、各種の作業や掃除などに使われる道具で、金属やプラスチックなどでできた薄いヘラ状の刃に、プラスチックや木製の柄がついたもの。主に塗装などの前に、古い塗料やサビなどを剥がすケレン作業や、しつこい汚れ、ステッカーや壁紙などを剥がし取る掃除のために使用される道具です。
 刃の幅は1cmほどの小型のものから、20cmといった大型のものまであり、刃の素材も鋼、ステンレス、シリコン、セラミック、プラスチックと様々です。

 刃は柄と一体となったものもありますし、先端の刃の部分だけカッターナイフの刃のように簡単に交換ができるものもあります。これらは、使用する対象の大きさや形状、材質などに合わせて使い分けられます。
 先端は刃物のように薄く、わずかな隙間にも差し込むことができるので、ぴったりと貼り付いてしまった部品どうしの隙間に入れて分解に使ったり、加工した切り口からはみ出した小さなバリなどを削り取るといった作業にも便利です。工具とは違いますが、鍋などにこびりついたソースなどをこそげとるのに便利なキッチンスクレイパーも、スクレイパーの一種です。

2章:スクレイパーの種類

 スクレイパーは手のひらサイズから両手で使用する大型のもの、さらに料理用や、雪かき用など用途によって様々な種類があります。大型のスクレイパーをガラスに貼られたシール剥がしに使ったり、古いPタイルの除去に小型のものを使用すると、かえって作業がはかどらないばかりか、剥がし取るべきではない、窓ガラスや床などを傷つけてしまうこともあり得ます。目的に合わせて適したものを選ぶようにしてください。ここでは代表的なスクレイパーのいくつかをご紹介します。

小型スクレイパー

 文房具のカッターナイフのような形をしており、刃幅も1~3cm程度の小型のタイプです。機械部品の小さなサビや、ガスコンロなどにこびりついたしつこい油汚れや焦げなどを落とすのに便利なスクレイパーです。刃先が交換できるタイプなら繰り返し使用可能です。

プラスチックスクレイパー

 金属ではなく、ポリカーボネートなど樹脂でできた刃を持つスクレイパーです。柔らかな刃によって素材を傷つけにくく家具や冷蔵庫、木材、車のボディ、ガラス窓などに貼られたシールやステッカーを剥がしたり、汚れ落としにも便利な手のひらサイズのスクレイパーです。刃を金属製のものに交換できるタイプもあります。

ヘラタイプスクレイパー

 小型サイズで刃の幅が細い、ヘラ状になっているスクレイパーです。床にこびりついたガムなどを剥がしたり、エンジンのガスケット(密閉用のシール)などを削り落とすのに使用します。薄い刃はわずかな隙間にでも入り込むので窓のサッシなどの溝にこびりついた汚れなどを取る際にも重宝します。

幅広タイプスクレイパー

 刃の先端が大きく広がっている大型のスクレイパーです。幅のある刃によって広い面積の汚れやサビ、また、壁紙などを効率良く剥がす作業が可能です。刃は直線タイプのほかに先端が斜めになったオフセットタイプなどがあります。柄が長いタイプなら。立った姿勢のまま床のクッションフロアやカーペットなどを剥がす作業も快適に行えます。

大型スクレイパー

 頑丈なヘラ状の刃と、長い柄のついた大型のスクレイパーは、床のPタイルなどを剥がしたり、高い場所の作業に使われます。両手を使って使用できるため力を入れやすく屋外の路面にこびりついた汚れやペイントなどを剥がす際にも効率良く作業が行えます。

ガラス用スクレイパー

 ガラス専用のスクレイパーです。幅が広く、カッターナイフのように鋭くとがった刃は、窓ガラスなどにこびりついたしつこい汚れや雨などによるザラつき、ステッカーなどを取るのにとても便利です。ハロウィンやクリスマスなどにデコレーションを施した窓の掃除などにも便利です。刃は非常に鋭いので扱いには注意が必要です。

キッチンスクレイパー

 フライパンの焦げつきを落としたり、粘度の高いジャムやソースなどをかき集めたりするのに使えるのがキッチンスクレイパーです。主に調理用としてヘラ代わりに使うもの、キッチンまわりの掃除用のものなどもあります。

スノースクレイパー

 車に積もった雪をかき取るための専用の雪かきスクレイパーです。雪をかき落とすほか、ガラス面に凍りついてしまった霜を剥がし落とすために使用します。刃の部分はガラスに傷をつけないように樹脂でできています。スノーブラシ一体型のものや、力を入れやすくガラスに傷がつきにくい、メガホン状のスクレイパーなどもあります。

マルチツール用スクレイパー

 電動工具のマルチツールに装着するブレードタイプのスクレイパーです。モーターによる振り子運動の強力な振動によって剥がれにくい汚れなどをパワフルにこそげ落とします。古くなって固着した接着剤やコーキング剤などの除去、塗装剥がしなどを効率よく行うことができます。

3章:スクレイパーの使い方

 スクレイパーの使い方はとても簡単です。剥がし取りたいシールや汚れと、それらが貼りついた面との間に刃を差し込み、隙間を作り慎重に剥がし取るだけです。
 ガラス面などに貼られたシールの場合はスクレイパーの刃でガラスに傷をつけないように慎重さが求められますが、その場合は刃が樹脂でできたプラスチックスクレイパーを使用するのがオススメです。

ガスコンロにこびりついた油汚れを落とす

 ガスコンロの五徳にしつこくこびりついた油汚れや焦げは、台所用洗剤などで洗うだけでは容易に落ちてくれません。クレンザーやスチールウールなどを使用しても完全に取り除くことは簡単ではありません。そんなときこそスクレイパーが便利です。ヘラ状の刃で油汚れや焦げをこそげ落とすだけで簡単に取り除くことができます。
 長年の使用で、ホーロー製の五徳にこびりついた油汚れと焦げ跡。元々のツヤが全くありません。洗剤で洗っても表面の汚れがわずかに取れるだけで、汚れそのものは全く落ちませんでした。
 ヘラタイプのスクレイパーを使って油汚れや焦げ跡をこそぎ落します。汚れの下に先端を差し込むようにしながら前方にスライドさせ少しずつ汚れを剥がしていきます。力を入れすぎると五徳の表面に傷をつけてしまうので慎重に行ってください。
 時間をかけ汚れを剥がし取りました。仕上げに中性洗剤で洗い拭きあげれば完了です。このようにまるで新品のようにピカピカになりました。

ガラスに貼られたシールをキレイに剥がす

 お子さんなどが窓ガラスに貼ってしまったシール。時間がたつと日差しでのりが固着しキレイに剥がれなくなってしまいます。そんなときにはプラスチックスクレイパーかガラススクレイパーを使用しましょう。
 まずガラスの表面に霧吹きなどで水か薄めた中性洗剤を吹きつけます。乾いた状態でスクレイパーを使用するとガラスに傷をつけてしまうこともあるので注意してください。
 ここではプラスチックスクレイパーを使用します。樹脂の刃はガラスに傷をつける危険がなく、また鋭い刃で手などにケガを負う心配もないので安心です。スクレイパー刃の先端を寝かせ、シールの下に対して斜めに差し入れていきます。
 スクレイパーの刃の先端は尖っているので力を入れすぎないようにします。力を入れすぎるとシールが途中で切れてしまいます。端から少しずつ刃を入れてゆきステッカーを剥がしてください。シールが途中で切れてしまったら、別の角から再度スクレイパーの刃を入れて剥がしていきましょう。シールが全て剥がれたら、窓に残った水分や洗剤を拭き取ります。
 窓ガラスに、シールののりなどが残ってしまった場合は、濡らしたメラミンスポンジなどでこするときれいに取れるはずです。
 フィルムが貼ってある場合は当然ですが使用できません。フィルムに傷をつけ剥がれてしまいます。ただし、古くなったフィルムを剥がしたいというときにはスクレイパーが役立ちます。ステッカーやシールを剥がすのと同じ要領でフィルムを手早く剥がすことが可能です。

4章:スクレイパーの刃の交換方法

 一体型でないスクレイパーは刃を交換することが可能です。交換用の刃も別売りで用意されています。交換方法はとても簡単です。
 まずはスクレイパーから古くなった刃を取り外します。刃はネジなどで固定されているのでネジを緩めます。
 スクレイパーの先端を開きます。このスクレイパーの場合は刃を押さえているカバーを下方向にスライドさせることで先端が解放されました。
 刃の先端は鋭利なので取り外す際はケガをしないように注意してください。古い刃を外したら新しい替刃に交換します。取りつけ方は外した際の作業と逆の手順です。
 新しい刃を取りつけたらネジでしっかりと固定します。刃で手を傷つけないよう気をつけてください。
 取りつけが終わったら、ネジの緩みなどがないか確認します。交換ができたら最後にカバーを取りつけて完了です。

5章:スクレイパーを使う際の注意点

 スクレイパーは手軽でとても便利な道具ですが、使用には注意が必要です。スクレイパーの先端の刃は、プラスチックスクレイパーを除き、刃物と同様にとても鋭利になっているので使用の際には手を傷つけないように十分に気をつけてください。使用した後は、必ず刃の部分にカバーなどを取りつけて保護しましょう。
 さらに製品により、スクレイパーの刃には表と裏がある場合があります。そのようなとき、間違って表裏を逆に使ってしまうと対象物に傷をつけてしまうことがあります。パッケージなどでよく確認してください。
 ガラススクレイパーを窓ガラスなどに使用する際は、窓ガラスのタイプの確認も必要です。使われているガラスが、特殊な熱反射ガラス、強化ガラスなどの場合は、ガラススクレイパーを使うとその刃でガラス表面に傷をつけてしまう可能性があります。傷をつけてしまうとガラスの機能を損ねてしまうこともあるので、不安な場合は使用しない方が良いでしょう。もしくはキズをつける可能性の少ないプラスチックスクレイパーを使ってください。

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