ビットの選び方

 電動ドリルドライバーやインパクトドライバーなどの電動工具は、工具だけで作業することはできません。ほとんどの電動工具は、先端工具を取りつけることで、目的に合った作業をすることができるようになります。DIYで使用頻度の高い電動ドライバー類は、ビットと呼ばれる先端工具が必須です。
 ホームセンターや通販サイトでは、さまざまな種類のビットが並び、初心者の方はどれを選んだら良いか悩んでしまうこともあるでしょう。ここでは、取りつける工具や用途ごとに最適なビットの選び方と、使用方法などについてご紹介します。

目次
1章:ビットとは?
2章:ドライバービット
3章:ドリルビット
4章:ソケットビット
5章:ビットの軸(シャンク)について
6章:ビットの取りつけ方
7章:その他のビット

1章:ビットとは?

 ビットとは、電動工具の先端につける作業工具のことです。用途に合った適切なビットを装着することで、工具は最大限の効力を発揮することができます。ビットは、用途やサイズ、規格、メーカーなど、さまざまなものが流通しているため、選択に悩むこともあるでしょう。
 今回は、DIYで使用する頻度の高い、電動ドリルドライバーやインパクトドライバーに取りつけて使用するビットについて詳しくご紹介します。

2章:ドライバービット

 ドライバービットは、電動ドリルドライバーやインパクトドライバーに装着して回転させ、ネジやボルトを締めたり緩めたりするための先端工具です。
 ドライバービットの先端部は、ネジやボルトの頭の溝や形状に合うようになっています。プラス(+)の形をしたものが一般的で、他にマイナス(-)や四角、六角、星型といったものもあります。ビットを取り替えることで、いろいろな種類のネジやボルトに合わせることができます。

 ビットにはそれぞれサイズがあり、数字の小さい方が小さいサイズです。ビットサイズの表記は、記号や数字などメーカーによってさまざまなので、使用するネジに合ったものを選ぶことが重要です。サイズの合わないビットでネジを回すと、頭の溝を傷めやすいので、必ずネジの溝に合うサイズのビットを使いましょう。サイズがよくわからないときは、サイズの大きい方のビットから試します。小さい方から試すと、ネジの溝の中でビットが空回りしてしまい、ネジの溝を傷めてしまいます。
左から、六角ビット(H3)、六角ビット(H5)、マイナスビット、ポジドライブビット、プラスビット(PH2)、プラスビット(PH1)

■プラスビット

 プラスビットは、一般的なネジ締めに使われる、先端がプラス(+)の形状をしたビットです。プラスビットは、小さい方から1、2、3と番号がついています。PHの記号で表示されるものもあります。
 DIYで使用するネジは、1か2の規格に合ったものが多いので、この2つを揃えておけば良いでしょう。
上:プラスビット2番
下:プラスビット1番

■ポジドライブビット

 プラスネジの十字の溝に、×のような細い線が入っているネジがあります。これをポジドライブネジといい、十字よりもネジ頭の溝を傷めにくい構造になっています。ヨーロッパの家具などに良く使われているネジ頭です。ポジドライブビットは、ポジドライブネジ専用のビットで、サイズはPZで表示されます。

■マイナスビット

 マイナスビットのサイズは、先端の太さ×長さでサイズを表示します。0.6×4.5、0.8×5.5、1.2×8.0など、サイズはさまざまです。メーカーによっては、サイズ表記でなく番号で表示されるものもあります(上の写真のマイナスビットは番号8で表示されています)。

■四角ビット

 スクエアビットとも呼ばれ、先端が正方形になっています。サッシや筋交い金具などに使われる四角ネジ用のビットです。サイズはSQで表されます。

■六角ビット

 ヘックスまたはヘキサゴンとも呼ばれます。先端の形が六角形で、主に、金属加工の組み立てなどに使われます。サイズはHで表示されるものや、2.0mm、2.5mmなど刃先径で表記されるものがあります。
 
 ビットの形状に特長のあるものもあります。ビットの両端にプラスやマイナスなどがついている両頭ビット、先端部が細くなったスリムビット、シャンクよりも軸が細い段つきビット、ビットの中央部が細くなったトーションビット、ネジ穴の破損を軽減するギザつきビットなど、それぞれに特長があります。作業性やコストなど、自分に合ったものを選びましょう。
 

■両頭ビット

両端が使えるビットです。プラスとプラスなど同じ種類でサイズの違うもの、プラスとマイナスなど種類の違うものなどがあります。片方が破損してももう片方使えるので、コストを節約することができます。破損した先端をインパクトドライバーのスリーブ(ビット取りつけ部)に取りつけて作業すると、ビットが抜けなくなることがありますので、注意しましょう。

■スリムビット

ネジに装着したとき、ネジ頭の溝が見えやすいように先端部が細くなっているビットです。

■段つきビット(ギザつき)

スリムビット同様、ネジ締め作業のときにネジ頭が見やすいよう、軸の部分が細くなったビットです。先端にギザがついたものは、ネジの溝からビット先端部が外れにくくなっています。

■トーションビット

ビットの中央部が細くなっているため、ネジ締め時の衝撃を軽減できます。インパクトドライバーの打ち込み時にビットの先端やネジ頭を傷めにくくし、ビットを長持ちさせます。

3章:ドリルビットの種類

 ドリルビットは、電動ドリルドライバーやボール盤などに装着して回転させ、木材や金属などの素材に穴をあけるための先端工具です。
 ドリルビットには、サイズや形状などさまざまなものがあります。使う材料や穴の大きさなど、用途に合ったドリルビットを選ぶことが重要です。
 ドリルの刃の材質は、高速度工具鋼が一般的です。高速度工具鋼は、英訳すると「ハイ・スピード・スチール(High Speed Steel)」となり、頭文字を取って「ハイス(HSS)」と呼ばれています。
左から、フォスナー(座ぐり)ビット、皿取錐、ダボ錐ビット、下穴錐ビット、木工ドリルビット

■木工用ドリルビット

 木工用ドリルビットは、刃径が3mmから30mmを超えるものまであり、長さもショートタイプや長い貫通穴をあけることができるロングタイプがあります。用途に合わせて使い分けましょう。
 木工用ドリルビットには、先ネジタイプと先三角タイプがあります。
先ネジタイプは、ドリルの先端がネジ状になっており、ネジの力を利用して軽い力で穴をあけることができます。食い込む力が強いためボール盤に取り付けて使用すると危険です。先三角タイプは先端にネジがなく、木材に食い込んでいかないので、スイッチを離したところで穴を止めることができます。
左:先三角タイプ
右:先ネジタイプ
 木工用ドリルビットには、切れ味が落ちてきたときに研磨できるものがあります。研磨する際は商品説明書やメーカーのホームページなどで確認しましょう。

■下穴錐ビット

 下穴錐ビットは、先に向かうにつれて細くなるテーパー形をしています。ネジを打ち込む際に木割れを防ぐための下穴をあけるためのドリルビットです。ドリル径2.0~6.0mmまでありますが、DIYで使用するのは2.0~4.0mmが一般的です。使用頻度の高いサイズがセットになったものもあります。1本ずつ買い揃えるよりも安価なので、購入の際は上手に利用しましょう。
下穴錐セット

■ダボ錐ビット

 ダボ栓(木栓)を埋め込む穴をあけるためのビットです。貫通しないようにストッパーがついていて、10mm程度の穴を掘ることができます。埋め込むダボ栓の大きさに合わせてドリル径を選びましょう。6~12mmのものが流通していますが、DIYで使用するなら8mmのものが広く使えておすすめです。

■皿取錐

 木材にネジを打ち込んだ際、ネジ頭と木材が面で揃うように木材の表面を少し掘って皿状にするビットです。このビットを使うことで、下穴あけと皿取りが同時に行えます。
皿取錐ビットであけた下穴と皿取り穴

■フォスナー(座ぐり)ビット

 フォスナービットは、比較的大きな丸をくり抜いたり、座ぐったりするためのビットです。掘った底面が平らなので、ボルトやワッシャーなどをはめ込んだときに動きません。
 小さい直径の穴は電動ドリルドライバーやインパクトドライバーで簡単にあけられますが、20mm以上の大きな穴はかなりの力が必要になります。パワーの小さなドリルドライバーでは回転が停止してしまうこともあります。大小問わず、穴をあける際には材料をしっかり固定し、無理のない範囲で作業するようにしましょう。
フォスナービットであけた座ぐり穴

■ホールソー

・木工用ホールソー

 木工用ホールソーは、木材に比較的大きな穴をあけるための切削用ビットです。木工用ホールソーは、ダイカスト(刃を取りつけるベース)に径の違う複数の刃が付属しています。あけたい穴の大きさに合わせて刃を選びましょう。木工用ですが、塩ビやプラスチックにも穴をあけることができます。電動ドリルドライバーやボール盤に取りつけて使用します。インパクトドライバーは回転の際打撃が加わるため、破損の恐れがあります。また、シャンク(ドライバーのチャックに差し込む部分)が丸軸のものは使えません。インパクトドライバーを使用する際は、インパクトドライバー対応のホールソーを使用しましょう。

・バイメタルホールソー

 鉄工用のホールソーは、バイメタルホールソーとも呼ばれます。サイズの種類が多く、さまざまな大きさの穴をあけることができます。

■自在錐

 自在錐は、ホールソー同様比較的大き目の穴をあけることができる切削ビットです。ホールソーはビットのサイズが決まっていますが、自在錐は自由に大きさを決めることができます。1枚刃タイプと2枚刃タイプがあり、1枚刃タイプは2枚刃タイプに比べて安価ですが、軸がぶれたり安定感が落ちます。ボール盤に取りつけ安定した作業ができる場合や、試しに使ってみたい場合などは1枚刃、コードレスの工具に取りつけて使用する場合は安定感のある2枚刃など、用途や使用する工具に応じて使い分けると良いでしょう。インパクトドライバーに取りつける場合は、インパクトドライバー対応の自在錐を使いましょう。
左:プラスチック用ドリルビット
右:鉄工用ドリルビット

■鉄工用ドリルビット

 鉄工用ドリルビットは、主に鉄やステンレスなどの金属に穴をあける際に使用するドリルビットです。先端部分まで刃がついており、穴をあけやすいようになっています。鉄工用のドリルビットは、刃径が1.0mmほどの小さなものから、10mmを超えるものまでサイズが豊富ですが、mm単位で一つ一つ揃えるのは大変ですし、コストもかかります。木工用ドリルビット同様、初めはセットになっているものを購入し、使う頻度の高いものを補充していくのがおすすめです。
 鉄工用は、金属よりも柔らかい木材にも穴をあけることができます。ただし切り口は粗くなりますので、目的に合わせて使用するようにしてください。

■プラスチック用ドリルビット

 木工用や鉄工用のドリルビットを使用してプラスチックに穴をあけることもできますが、割れやすかったり、切り口が粗くなったりすることがあります。塩ビ板やアクリル板などはプラスチック用のドリルビットを使うことで、ストレスなくきれいな穴をあけることができます。

■ガラス用ドリルビット

 ガラスに穴をあける場合、通常のドリルビットを使うとガラスが割れてしまいます。3~12mm程度の小さな穴は、ガラス用のドリルビットを使って穴をあけることができます。ダイヤモンドの粒子がついたコアビットを使えば、直径50mm程度の穴をあけることもできます。1~6mm程度のもっと小さな穴をあける場合は、電動ルーターと専用ビットを使用します。切削中はビットが熱くなるので、冷却オイルか水をつけながら作業します。安全のため、必ず保護めがねを着用しましょう。

4章:ソケットビット

 ソケットビットとは、電動ドリルドライバーやインパクトドライバーに取りつけて、ボルト・ナットを締めたり緩めたりする先端工具です。先端のサイズはさまざまで、締めつけるボルトやナットの大きさに合わせて選びます。
 ソケットの先端だけ取り替えることで、いろいろなサイズに対応できるソケットアダプターもあります。いずれもシャンクサイズの規格は6.35mmです。
ソケットビット
各サイズのソケットと、ソケットアダプター、ドライバービットがセットになったものは、ひとつずつ揃える必要がなく、コスト面も優れています。

5章:ビットの軸(シャンク)について

 ドライバービットやドリルビットの先端の種類がたくさんあることは先にご紹介しましたが、ビットにはシャンクと呼ばれる軸の柄の部分にも種類があります。シャンクの種類を間違えて取りつけてしまうと、故障やビットを外せなくなるなどの不具合の原因となります。使用する工具のチャック部分(取りつけ部分)に合ったシャンクのビットを選ぶことが重要です。
 
 シャンクにもさまざまな種類や規格があり、メーカーによっても異なります。DIYでの作業で一般的によく使われるシャンクは、丸軸シャンクと六角軸シャンクです。

左:六角軸シャンク
右:丸軸シャンク(ストレートシャンク)

■六角軸

 シャンクが六角形をしたビットです。電動ドリルドライバーのキーレスチャック、ボール盤等のキーチャック、インパクトドライバーのスリーブなど、さまざまな工具に対応したシャンクです。
 シャンクのサイズは6.35mm、13mm、17mm、21mm、30mm径がありますが、電動ドリルドライバーやインパクトドライバーで使われるのは、主に6.35mmのものです。

■丸軸シャンク

 シャンクが丸く円柱状になったビットです。電動ドリルドライバーやボール盤など、回して締めるドリルチャックで使用できます。1mmほどの細いものから、mm単位で太さが選べます。丸軸シャンクはインパクトドライバーでは使用できません。インパクトドライバーのビット取りつけ部(スリーブ)の中には、六角のホルダーが設置されています。丸軸のビットを取りつけて使用すると、ビットが取り外せなくなるなど故障の原因となるので注意しましょう。
電動ドリルドライバーのチャック部分
インパクトドライバーのスリーブ

6章:ビットの取りつけ方

■電動ドリルドライバーへのビットの取りつけ方

 電動ドリルドライバーのビット取りつけ部分は、主にキーレスチャック式です。キーレスチャックは、電動ドリルドライバーの先端を手で回して、チャック内にあるツメを開閉することでビットを交換します。
 チャック内には3本のツメのようなものがあり、このツメでビットを固定します。時計回りにチャックを回すとツメが開いた状態になります。ビットをチャックに差し込んで、反対方向にチャックを回してツメを閉じます。ドライバービットもドリルビットも同じです。
 ツメを開閉させて固定するので、1mmほどの細いビットでも取りつけることができます。
ツメが開いた状態
ツメが閉じた状態

■インパクトドライバーへのビットの取りつけ方

 インパクトドライバーは、ビット取りつけ部のスリーブを引っ張ってビットを抜き差しします。
 前項でご紹介したとおり、インパクトドライバーで丸軸のビットは使用できません。六角軸のドリルビットは5mm単位になっており、細かいサイズの穴をあけることができません。
ドリルチャック
反対に丸軸のドリルビットは1mm単位で刃径が揃っています、詳細なサイズ径の穴をインパクトドライバーであけるときには、市販のドリルチャックをインパクトドライバーのスリーブに取りつけることで、丸軸のビットを使用することができます。

7章:その他の電動工具用ビット

 電動ドリルドライバーやインパクトドライバーの他にも、切削工具のトリマーやルーター、研磨などに使われるミニルーター、ミニグラインダーなどにも専用のビットがあります。

 ミニルーター用のビットは、先端に砥石のついたものやダイヤモンド粒子のついたものなどがあり、金属を磨いたりガラスやアクリルなどに彫刻をすることができます。
ミニルーター
ミニルーター用ダイヤモンドビット
 トリマー、ルーター用のビットは、主に木材に飾りや溝を彫ったり、目地払いをするための先端工具です。トリマービットは6mm軸、ルータービットは12mm軸です。トリマーやルーターは、ビットのサイズや刃の種類が多種多様にあり、大変魅力的な工具ですが、刃を回転させて切削する工具のため、誤った使い方をすると思わぬケガにつながり大変危険です。説明書を熟読し、ご自身のレベルに合わせて使用するようにしましょう。
トリマー
ストレートビット(6mm軸)
ヒョータン面ビット(6mm軸)
目地払いビット(6mm軸)

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