画鋲の穴・めくれ・割れ目などクロス壁紙の補修方法

 時が経つと、壁全体に傷や黄ばみなどの汚れが目立ってきます。小さな汚れや傷でも、目にすれば気分が沈んでしまいます。特に小さなお子さんやペットがいると劣化が激しく、壁紙の剥がれなどの損傷も覚悟しなければならないので、家具で隠したり諦めて放置したりしていませんか?

 そんなときは、お手軽にできる部分的な補修にトライしてみませんか? ケースごとに、必要な道具と正しい方法をわかりやすく解説します。

1章:賃貸の場合は自分で補修してもOK?
2章:壁紙を劣化しやすくする原因
3章:壁紙の補修で使える便利グッズ
4章:小さな穴の補修
5章:壁紙のめくれ
6章:壁紙の落書き
7章:壁紙のヒビ割れ・割れ目
8章:壁紙の大きな破れ
9章:壁紙の浮き
10章:壁紙のつなぎ目の隙間
11章:カビが生えている

1章:賃貸の場合は自分で補修してもOK?

 壁紙はインテリアの一部です。汚れや傷が目立つとせっかくのおしゃれな部屋もイメージがダウンします。持ち家の場合は、壁紙の汚れや傷が気になったらすぐに補修することができます。しかし、賃貸の場合は少し、勝手が異なります。

 賃貸物件を退去するときには、基本は原状回復を行う必要がありますが、オーナーや管理会社が方法や定義を決めるので、自分で補修しても認められない可能性があります。そのため、勝手にDIYで補修をしてしまうと契約違反と見なされる場合があります。そして、クロス・壁紙などの消耗品は経年劣化が考慮され、オーナーの負担になります。

 国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、入居後4年で約50%の補修費用を賃借人が負担します。入居後6年を過ぎると、賃借人の負担の割合はグッと減ります。ただし、カビやタバコの原因による黄ばみなどは対象外になり、賃借人が補修費用を負担するので注意してください。経年劣化の可否は、入居時の契約内容もチェックするようにしましょう。また、DIYで補修が必要な場合は、オーナーや管理会社に相談しましょう。

2章:壁紙を劣化しやすくする原因

 壁紙を接着しているのりが、時間が経過して古くなると、壁紙のつなぎ目が浮いたり、めくれたりする問題が発生してしまいます。さらに、子供やペットがいる家庭では、傷や落書きなどの問題も抱え、生活スタイルによって問題の症状もさまざまです。

●主な劣化症状

・画鋲などによる小さな穴
・壁紙のめくれ(破れ)
・壁紙のヒビ割れ・割れ目
・壁紙のつなぎ目が浮く
・壁紙のカビ
・クレヨンや油性ペンなどの落書き

 しかし、こうした症状もホームセンターなどで購入できるグッズでお手軽に対処できます。補修方法は症状によって違うので、トラブルにマッチした専用のアイテムを選んで対処しましょう。

3章:壁紙の補修で使える便利グッズ

ジョイントコークは万能タイプの優れもの

 壁紙の補修には、トラブルのケースに合わせてグッズを選んで使えばよいことを紹介しましたが、1つのグッズでさまざまな補修に対応してくれる優れものがあります。それが、チューブ式のコーキング剤「ジョイントコーク」です。
 コーキングと聞くと、クロス職人などが手がける本格タイプをイメージすると思いますが、これは初心者でも簡単に使うことができます。
 壁紙の補修には、トラブルのケースに合わせてグッズを選んで使えばよいことを紹介しましたが、1つのグッズでさまざまな補修に対応してくれる優れものがあります。それが、チューブ式のコーキング剤「ジョイントコーク」です。

 コーキングと聞くと、クロス職人などが手がける本格タイプをイメージすると思いますが、これは初心者でも簡単に使うことができます。

●使える主な用途
・壁紙の傷の補修
・壁紙の隙間を埋める
・壁紙のめくれなどの補修
・ヒビ割れの補修

塗りやすいアクリル系コーキング剤。壁紙や水性塗料との接着性に優れています。高耐湿性を持ち、水分による壁紙の剥離を防止します。
 ホームセンターやショッピングサイトなどで購入できて、値段がお手頃なのが魅力です。しかも、カラーバリエーションが39色と豊富に揃っているので、自宅の壁紙に合う色がきっと見つかるはずです。
 使い方も簡単で、補修したい箇所に「ジョイントコーク」を流し込み、専用ローラーやスポンジで馴染ませるだけです。水性だから、はみ出しても拭き取って落とすことができます。持っていればこれ1本で大活躍し、まさにDIYの強い味方といえます。

4章:小さな穴の補修 

 ポスターや額、棚を飾るために空けてしまった画鋲による小さな穴。取り外してしまうと意外と気になります。こういった壁紙の穴は、クロス専用穴埋め剤を使うと、簡単に補修することができます。
 ヘラが付属しているので、準備にも手間がかかりません。色は白やアイボリー、ベージュなどから選ぶことができます。

●用意するもの

・クロス専用穴埋め剤(付属品のヘラ)
・雑巾

●手順

1. 穴の周囲が盛り上がってしまっている場合は、付属のヘラで押さえて、盛り上がりを平らにならします。

2. 穴の周囲を、固く絞った雑巾で掃除し、ホコリや油分をきれいに拭き取ります。

3. クロス専用穴埋め剤を少し多めに入れます。

4. 表面を専用のヘラを使ってなで、余分を取ります。そのまま乾燥させればでき上がりです。

 クロスの傷や汚れ隠し、穴埋めに使える修正テープタイプも販売されています。また、シーリング材でも代用することができます。

5章:壁紙のめくれ

 壁紙のつなぎ目の部分がめくれてしまうことがあります。そのままにしておくと、さらにめくれが大きくなることもあるので、早目に補修を行いましょう。壁紙の一部が破けてなくなってしまっている場合は、「大きなやぶれ」の補修を行ってください。

●用意するもの

・クロス専用穴埋め剤(付属品のヘラ)
・雑巾
・筆
・ローラー

●手順

1. めくれてしまった壁紙の裏面と壁を、固く絞った雑巾で拭き、ホコリや油分をきれいに取り除きます。汚れがひどい場合は、薄めた中性洗剤を使って掃除しましょう。その場合は必ず洗剤分が残らないように、きれいに拭いてください。

2. クロス専用接着剤は、筆を使って薄く塗り広げていきます。接着剤のフタに刷毛が付属しているタイプもあり、刷毛を洗わずに元に戻せるので便利です。めくれた部分の奥から、接着剤を塗っていきます。

3. 全面に接着剤を塗り終わったら、元の通りに貼りつけます。

4. つなぎ目を中心に、ローラーで圧着していきます。隙間ができてしまう場合は、つなぎ目に向かってローラーを動かします。つなぎ目が重なってしまう場合は、つなぎ目からローラーを動かしてください。

5. 巻きぐせが強く、戻ってしまう場合は、ピンやマスキングテープで半日ほど止めておきましょう。

もしつなぎ目に隙間ができてしまった場合は、クロス専用穴埋め剤を使って、目立たなくなるよう補修することができます。

6章:壁紙の落書き

 小さなお子さんがいる家庭で避けられない問題が、壁紙の落書きです。なかなか落ちにくい落書きですが、実は身近なグッズできれいに落とすことができます。それはインクの種類によって異なるので、それぞれ紹介します。

●油性ペン

アルコールをたっぷり含ませたコットンや綿棒で、押しつけるように拭き取ります。

●クレヨンや水性ペン

市販の歯磨き粉と、使い古しの歯ブラシを使って落とします。歯ブラシでこすってから、タオルで水拭きをします。

 それぞれの汚れをきれいに落とすコツは、見つけたら早めに掃除することです。ただし、歯ブラシやスポンジで強くこすると壁紙が傷んでしまうので、気をつけてください。どうしても消せない場合は、落とすのではなく塗るタイプのクロスタッチなどのアイテムを使って、汚れを隠す補修も1つの方法です。

7章:壁紙のヒビ割れ・割れ目

 壁紙のヒビ割れ・割れ目の主な原因は、地震の揺れによるものや、壁紙の経年劣化による伸縮などが考えられます。揺れや振動による劣化は、普段のドアや窓の開閉も影響しています。そのため、ドア付近や窓枠の周辺が発生しやすい場所です。

 軽度のものなら、前項で紹介したジョイントコークやコークボンドなどの専用グッズで、きれいに補修できます。お手入れ方法は、ジョイントコークを使う手順と同じです。ただ、下地の石膏ボードや合板に割れ目ができてしまうと、高度な補修技術が必要なので、業者に相談しましょう。

8章:壁紙の大きな破れ

 壁紙の一部が破れ、なくなってしまった場合も補修することができます。破れの補修に便利なものが、壁紙用補修シート。数種類の壁紙の柄があるので、現状貼ってある壁紙と近いものを選びましょう。この補修用シートは裏側に粘着面がついているので、剥離紙を剥がして貼りつけます。接着剤を別に用意する必要がないので、作業が手軽です。

 補修用シートは白いタイプが中心なので、もし壁紙に色や柄がついていて色味が合わない場合は、同じ壁紙と接着剤を使って同様の手順で補修を行いましょう。

●用意するもの

・壁紙補修シート
・ローラー
・カッター
・雑巾
・マスキングテープ
・定規

●手順

1. 破れてしまった部分の周囲を、固く絞った雑巾で拭き、ホコリや油分をきれいに取り除きます。

2. 破れた箇所に補修シートを重ねて、マスキングテープで仮止めします。ずれないようにしっかり仮止めしてください。

3. 重ねた壁紙を破れた穴よりも大きめに切ります。定規をあて、カッターで四角く切ってください。このとき、元の壁紙も一緒に切るようにしてください。カッターの切れ味が落ちていたら、刃を切れる状態にしてから作業してください。

4. マスキングテープを剥がして、補修シートを外します。このとき、向きがわかるよう切り抜いた補修シートの上側にマスキングテープを貼り、目印にしましょう。向きが変わってしまうと、きれいに仕上がらなくなってしまいます。

5.破れがある元の壁紙も、カッターの切り目に沿って剥がします。

6.マスキングテープの目印を確認し、向きを間違えないように補修シートを壁紙の欠けた部分に貼ります。そしてローラーで切れ目がわからなくなるように、しっかり圧着させてください。

7.周りを固く絞った雑巾で拭いて完成です。

9章:壁紙の浮き

 壁紙が浮いてしまっても、補修することは可能です。浮いた面積が小さい場合は、ホームセンターなどで購入できる同じ柄の壁紙を、浮いた壁紙の面積に合わせてカットします。

 次に、ヘラで下地をきれいにした後、浮いた箇所をカッターで切り取ります。そして、専用の接着剤で貼っていきます。専用のローラーを使うと、きれいに補修ができます。浮いた範囲が広い場合は、全面の貼り替えが必要になります。

10章:壁紙のつなぎ目の隙間

 壁紙は、複数枚を貼り合わせて壁一面にのりで接着されています。天井と壁、壁と壁の角などに起きやすい現象で、ほんの数ミリ程度の目立ちにくい小さな隙間でも、後々に剥がれや破れなどの問題にもなります。壁紙に隙間ができたら、そうなる前につなぎ目を補修しましょう。

 使うグッズは、ジョイントコークでOKです。隙間の周りにマスキングテープを貼り、隙間にジョイントコークを注入します。そして指でなぞるように擦り込ませた後にタオルで拭き、マスキングテープを剥がして完了です。10分程度でできる作業なので、ぜひ試してみてください。

11章:カビが生えている

 壁紙にカビが発生する原因で、大きな割合を占めるのが湿気です。多種多様のカビが存在していて、場合によっては人体に影響を及ぼし、体調を崩してしまうこともあります。

 壁紙にカビが生えると、黒ずんでしまいます。部屋の隅や家具の裏の他に、浴室や台所など水周りの空間が、菌が繁殖しやすい場所です。小さな黒ずみなどは塩素系の漂白剤で拭き取れますが、大きなものになると壁紙の貼り替えが必要になります。ひどいものだと、業者に頼まなければなりません。そうなる前にしっかりと予防をしましょう。

 カビは、湿度が70%を超えると繁殖しやすくなるといわれています。梅雨の季節や、結露が起きやすい冬の時期は、特にこまめに掃除や換気をして防いでください。

まとめ

 壁紙の補修は、初めての挑戦でも比較的目立たなく仕上げることができます。穴や破れなどのトラブルは、意外と遠目からでも気になるものです。部屋の雰囲気も気持ちも明るくなるので、気になる箇所がある場合は、早速補修を行ってみましょう。

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