芝生の張り方と育て方

芝生は、和風の庭にも洋風の庭にもよく合います。毎日のまめなお手入れで庭一面に美しい緑のジュウタンを敷きつめられます。
こちらの記事では、芝生の張り方や育て方、刈り込みについて、また必要な材料、道具、備品、また芝生お手入れについてご紹介致します。

必要な材料・道具・備品のリスト

    ★芝

    ★芝生の目工  ★芝生の肥料
          ★石灰  ★除草剤

       ★ふるい  ★レーキ、熊手  ★草削り
          ★除草ホーク  ★ローンスパイク  ★芝刈り機
          ★スプリンクラー

ワンポイントアドバイス
◆芝刈り機の種類

リール式           ロータリー式           バリカン式

                    

◆刈り込み機を選ぶときの目安
◎適している ○ふつう △適していない
◆刈り込みの手順
同じ方向ばかりで刈ると、不均一な芝生になります。
芝を刈るごとに方向を変えて行いましょう。
◆道具の後始末
芝刈り機を使った後、そのままにしておくと刃が傷んでしまいます。
サビ取り剤などでお手入れをしておくと刃のもちが違います。

芝張りに適した時期と場所、肥料について

●時期
芝も他の植物と同じように、温かい時期によく成長します。ですので、芝張りは春から秋にかけてすることをオススメします。
●適した場所
●日当たりが良い場所
植物の成長に欠かせない水分と日光ですが、芝生も他の植物同様、太陽の光をしっかりと浴びることでうまく生育できます。反対に、日当たりが悪い場所にセットするとなかなか芝生が育ちません。そうならないようにするためにも、できるだけ南側の場所に芝生を設置することをオススメします。
●水はけの良い場所
芝生の成長に水分は欠かせませんが、水はけが悪い場所に芝生を張ってしまうと根からうまく水分を吸収できません。乾燥しやすい場所は避け、土中に適度に水分が残りやすい場所を探してください。
●風通しも確認
芝生に限らず、植物がしっかり育つためには風通しの良い環境に置かれることが大切です。理由としては、湿度が高くなったり、蒸れたりすることを防げるからです。ですので、芝生はできるだけ通気性の良いところに張りましょう。

芝生の張り方と芝の種類

<芝の張り方>
●ベタ張り
すき間をあけずに並べる方法になります。芝生を多く用意しなくてはならないという欠点がありますが、目地に雑草が発生したり、雨水によって土が流れたりしにくいというメリットがあります。小さな面積に芝生を張る場合は、芝生の量が少なくてすむこの方法を試してみましょう。
●メジ張り(目地張り、最も一般的な張り方)
それぞれの芝生の間に3~5cmくらいの目地(すき間)をあけて芝を張るやり方です。芝の量は全面積の8割程度でかまいません。ただし、隙間があいているため目地が詰まるまで時間がかかるという欠点があります。
この芝生の張り方をすると、春から初秋にかけて次第に芝の密度が高くなります。また、密度に余裕があるためほふく茎が伸びて新しい根がはる余裕があるのもポイントです。
●一条張り
メジ張り同様、芝の量が少なくてすむ張り方になります。ただし、完成までに一年以上かかるため、家庭用には向きません。
●市松張り
カットされた芝生を市松模様に並べる方法になります。芝の量は少なくてすみますが、完成までに一年以上かかり、一条張り同様、家庭用にはあまり向きません。他の芝生の張り方に比べて、見た目に個性が出ます。
   POINT   芝生は張る方法もありますが、芝草の種をまく「播種法」、芝草のほふく茎などを植えつける「植芝法」もあります。

芝の種類

●暖地型芝生
草の丈が短い芝生です。生育に適した温度は25~35度なので、暑さや乾燥に強いという特長があります。そのため、「夏芝」と呼ばれることもあり、寒い地域ではきちんと生育しません。
暖地型芝生には、以下のようなタイプがあります。
・野芝
日本各地や中国などで見かける芝です。公園などでよく使われていますが、これは、野芝の丈夫で、痩せ地でも非常によく生育するという特長からです。暖地型芝生ですが、寒さへの耐性もあります。
・高麗芝
家庭園芸用としてよく使われている芝で、比較的暖かい地域に生育しています。海外では東南アジアで見かけることもあります。休眠をさほどしないため、冬でも緑色をしています。
この芝の中には姫高麗芝という芝もあり、こちらは葉が細くて美しい形をしています。ゴルフ場のグリーンや個人の庭などで使われています。
●寒地型芝生
ヨーロッパを起源とした芝生です。生育に適した温度は15~25度で、寒いところを好みます。ターフ(芝地が密生した状態)の密度が優れており、「冬芝」とも呼ばれます。ただし、乾燥に弱いため、管理が難しいというデメリットもあります。
寒地型芝生には、以下のようなタイプがあります。
・ベントグラス類
刈り込みに強く、見た目も美しい芝生です。ゴルフ場のグリーンにもよく使われており、性質は繊細です。ただし、乾燥や暑さ、踏みつけに弱いというデメリットがあります。
・ブルーグラス類
寒冷地で利用されている芝生で、寒さに強いという特長があります。ただし、暑さには弱いので、生育には注意が必要です。
・ライグラス類
株立ち型芝で、ほふく茎を持たない芝生です。発育が早いため、すぐに芝生を形成したいときにオススメです。
・フェスク類
乾燥と日陰に強い芝生です。トールフェクスと呼ばれるタイプの品種は常緑多年草に分類され、生育土壌をあまり選びません。

芝生の大きさ

●小判
芝生の中で一番小さなタイプになります。コンパクトで扱いやすいため、小さな庭に使いたいときにオススメです。
●大判
小判よりも大きなタイプになります。庭の面積が広く、芝生を張る場所が多いときに使ってみましょう。
●ロール芝
芝生がロール状になっており、丸めて持ち運べるタイプになります。

土づくり

1. 草や石は取り除き、全体の土がやわらかくなるまで耕します。雑草は根から抜きます。
2. 石灰をまき(1m2に100~200g位)元肥に油かす等と混ぜ合わせ、
できたら4~5日殺菌のために日光にさらしておきます。
3. 土をよく踏みならしてから表面をレーキで凹凸がでないようによくならします。
この状態で1~2度雨に打たせると土がよく落ち着きます。
   POINT   水たまりができないようにわずかにこう配をつけて整地する。

芝を張る

1. 芝生に糸を張り、糸にそって芝を並べていくと、きれいに仕上がります。
終わったら足でよく踏んでおきます。
2. 芝生の上から目土を、ふるいを使って葉が隠れない程度に薄くかけます。
すき間にも充分にかけておきます。
3. 最後にレーキ等で目土をよく芝苗にすり込み、凹凸をなくします。
その後水をたっぷり与え、2週間くらいは
水やりや草ぬき以外は芝生に入らないようにします。
   POINT   庭石や緑石などがある場合は園芸バサミで切る。 ほうきで全体に土をならす。

芝生の手入れ

●芝刈り
芝刈りを頻繁に行うことで雑草を減らし、美しい芝生にすることができます。ですので、暖地型芝生は6~10月に、寒地型芝生なら4~6月、9~11月くらいにこまめに芝を刈ることをオススメします。刈るときの基準としては、1回の芝刈りで1.5~2cm、あるいは3~5cmくらいの高さに芝がなるように調整します。ただし、芝の種類によって刈り方が変わるので、注意してください。
他にも、芝刈りをするときは一方向のみではなく縦横に刈る、衣類が濡れるのを防ぐために刈る前の水やりは控える、緑の濃いところに目土をプラスして凹凸を直してから刈るなどのポイントがあります。
芝刈り機で刈りにくい部分は両手バサミやハンディ・バリカンで刈り込み、トラ刈りになったところはもう一度刈り直します。
刈りカスは竹ボウキやレーキで集めて処分します。 夏は月4回、春と秋は月2~4回位刈り込みましょう。
   POINT  芝刈り機はゆっくり動かし、コードの絡まりに注意しましょう。 
●目土まき
1回目の芝刈り後に行います。目土は芝の葉がかくれない程度に薄くかけます。
きれいに除草した後に行いましょう。
●水やり
晴天の日が続いたら水をたっぷり与えます。
水やりはホースリールを使って行うのが一般的ですが、広い芝生に水をまくならスプリンクラーを使用することをオススメします。
植物は光合成を始めると水分をどんどん消耗しますので、水不足にならないためにも、春は晴天の日が約6日続いた後に、夏は晴天の日が約2~3日続いたときに与えるようにしてください。
秋と冬の水やりは月1~2回程度で大丈夫です。
時間帯は早朝から10時頃を目安に水やりをすることをオススメしますが、水の量は地面を濡らす程度ではなく、地中深くにまで伸びた根にしっかりと届くようにあげてください。
●雑草
雑草は手で抜くか、草削り・除草ホークを使ってこまめに抜き取ります。
また、枯れ葉等も取り除いておきます。
もし、 除草が追いつかないほど雑草の生育が早い場合は、除草剤を使ってください。
そのときは除草剤が別の場所に付着しないように気をつけましょう。
●肥料
1m2あたり100g(2握りの量)を2回に分けて均一にまきます。ただし肥料は種類により量や回数が異なりますので使用上の注意をお確かめください。 春から秋まで月1回程度与えます。

芝生は一度張ってしまうと後から土壌改良ができにくくなります。
ですので、以下の肥料などを使って、芝生を張る前に土壌改良を行いましょう。
●腐葉土
堆肥の一種で、広葉樹の落ち葉を発酵させたものになります。
通気性、保水性、排水性に優れており、土壌に養分を加えたり、水はけを良くしたりしたいときにオススメです。
腐葉土は自分で作ることもできますが、その場合はカエデ、クヌギ、コナラなどの落ち葉を使ってみましょう。
●バーク堆肥
バーク(樹皮)堆肥とは、樹木の皮に家畜糞尿などを加えて発酵させたものです。食物繊維が多く含まれているため、養分が豊富に含まれています。他、商品によっては悪臭を防止したり、土の中で病原菌が増えるのを防いだりしてくれる効果があります。
●ピートモス
湿地の水苔などが重なり、堆積・分解してできた泥炭のことです。通気性や保水性に優れているため、土壌改良材としてさまざまなシーンで使われています。芝生のように外に使われる植物の他、室内で植物を育てるときにもオススメです。
●バーミキュライト
蛭石を高温処理したもので、薄い板が重なったような形状をしています。軽く、多孔質なので、水分を内側に蓄えやすく、なおかつ通気性が良いという特長があります。挿し木や種まき時の調整材として単独で使うのもオススメです。
●パーライト
粉砕した原石を高温で焼いたもののことです。原石の種類によって特長が異なり、中には真珠岩を細かく砕いて高温処理した多孔質のタイプもあります。
●穴あけ
水はけや通気性をよくするために、芝生に穴をあけて新しい土をいれます。
●芝生に凹凸ができたら
カマやナイフで切り目を入れ、芝をはがします。
目土を入れるか、土を取り除いて平らにしたら、芝をもどして足で踏みつけます。
その後もう一度上から目土をかけます。
●害虫対策について
芝生に害虫などが発生してしまうと、弱ってしまうことがあります。芝生がきちんと生育するようにするためには、こまめなお手入れが欠かせません。
そのとき、役に立つのが農薬です。芝生のお手入れで使う農薬は、大きく分けて2種類あります。
●防虫剤…害虫を除去するために使います。
●殺菌剤…カビや殺菌などの発生を抑制するのに使います。
どの農薬を使えば良いかは、芝生の状態や目的によって異なります。ですので、まずは使う用途を決めてから農薬を購入するようにしてください。また、それぞれの農薬で希釈濃度が異なるので、適した濃度をパッケージやラベルなどで確認してから使うようにしましょう。

芝生を張る・育てるときの注意点

●芝生を張る位置をまずは決めて
芝生は最初に張る位置をしっかりと決めることで、きれいな庭を作れます。例えば、家の近くに芝生を張る場合は、家側から道路側に向かって芝生を張るようにしてください。最後に芝生を張るサイズが中途半端になっても、家から離れた場所ならば人目につきにくくなるからです。
もし、芝生を張るのが初めてなのであれば、まずは設計図を作ってみましょう。土の勾配、水の流れ、南向きかそうでないか、室内から庭がどのように見えるかなどをあらかじめ考えておくことが、魅力的な庭づくりをするポイントです。
●芝生を張る前に土の凹凸を減らしましょう
地面に凹凸がたくさんあると、水たまりができやすくなります。そうならないためには、芝生を張る前に下地となる地面の凹凸を無くし、平らになるようにしてください。また、下地に傾斜をつけて水勾配を作る方法もオススメです。こうすることで雨などが一定方向に流れるため、意図しない場所に水たまりができにくくなります。
●こまめに除草をしましょう
芝生はそのままにしておくと雑草などが生えて、見た目が美しくなくなります。また、雑草が広く根を張り、大きく育ち過ぎることで、芝生の発育を妨げてしまうこともあります。こまめに除草をするなど、適切な対応をするようにしてください。
●水やりを忘れずに
「温度が高くないから」という理由で長期間水やりをしないと、芝生が枯れてしまいます。植物は成長するために水分を必要としますので、こまめに水をやるようにしてください。また、水やりをするときはじょうろなどを使い、散水しながら水を撒くようにしましょう。大量の水を一度にかけてしまうと土がえぐれ、芝生が萎えてしまうことがあるからです。
もし、水やりに時間をかけたくないのであれば、自動で水まきを行ってくれるスプリンクラーを使うことをオススメします。水まきの角度や方位を変えられるタイプなら、部分散水も可能です。
●時間ができたらサッチングも
サッチングとは、枯れて分解されずに残った芝や根(サッチ)などを取り除くことをいいます。この作業をすることでサッチが堆積せず、病害虫が生じにくくなります。サッチングは素手でしてもいいですが、熊手やレーキなどを使うことで早く作業を終わらせられます。
●芝生が枯れたら早めに変えましょう
さまざまなお手入れをしていても、雨風や寒暖差で芝生が枯れてしまうことがあります。そのままにしておくと見た目が美しくない上、害虫などが発生する原因にもなりかねません。枯れてしまった芝は早めに取り除いて、新しい芝生を張るようにしてください。
詳しい説明を動画でチェック!

まとめ

芝生の張り方、育て方、メンテナンスや道具をご紹介致しました。芝張りのタイミングのみならず、芝刈り機の購入や日々のお手入れなどに参考にしていただき、ぜひきれいな庭をキープしてください。

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